オーストラリアで自動車整備士を学ぶ|資格ルート・実習・学校選び

大学留学

広大な国土を持つオーストラリアでは、日常の足から物流まで自動車整備士(Automotive Technician/Mechanic)の需要が安定しています。ガソリン・ディーゼルに加えハイブリッド/EV電装の専門領域も拡大。本記事では、Cert III → Cert IV → Diplomaの標準ルート、実習(Vocational Placement)、入学要件、学校の選び方までを分かりやすく整理します。


オーストラリアの自動車整備士とは

  • 就業分野:軽自動車(Light Vehicle)、大型・商用(Heavy Commercial Vehicle)、電装(Automotive Electrical)、ディーゼル、ボディ&ペイント、EV/ハイブリッド関連
  • 働き方:ディーラー、独立系整備工場、フリート保守、リース会社、鉱山・建機、ロードサイドアシストなど
  • 評価される力:安全基準・法令遵守、診断プロセス、配線・電装、サービス手順の文書化、顧客報告のコミュニケーション

走行距離の伸びやすい環境&中古車流通の厚みが、定常的な整備需要を下支えしています。


資格ルート(標準パス)

1) Certificate III in Light Vehicle Mechanical Technology(基礎・実務)

  • 到達イメージ:点検・整備・部品交換の実務、基本診断、安全・衛生
  • 代表トピック:エンジン/吸排気/冷却/燃料系、ブレーキ・サスペンション、ステアリング、トランスミッション、基本電装、診断機の基礎
  • 期間の目安:1年前後(学校・キャンパスにより異なる)

2) Certificate IV in Automotive Mechanical Diagnosis(診断・高度化)

  • 到達イメージ:複合故障の切り分けや根因分析、顧客説明、作業指示のリード
  • 代表トピック:アドバンスト診断、エレクトロニクス、パワトレの故障解析、品質と作業標準化
  • 期間の目安:6か月前後

3) Diploma of Automotive Technology(上位設計・技術管理)

  • 到達イメージ:工場の生産性・品質・安全の最適化、最新技術の導入、チームの技術支援
  • 代表トピック:業務プロセス改善、NVH・故障モード分析、データ活用、教育・標準作業策定
  • 期間の目安:6か月前後

軽車両以外のHeavy Commercial / Automotive ElectricalのCert IIIを選べる学校もあり、大型ディーゼル電装特化を早期に狙うルートも有効です。


授業・実習の構成イメージ

  • 座学+工房(ワークショップ)で段階的に技能を積み上げ
  • 実習(Vocational Placement):提携ディーラーや独立工場などで就業体験(例:各レベルで所定時間を積み上げ、合計数百時間規模になることが一般的)
  • 評価方法:実技課題、口頭試問、レポート、職場評価(Supervisor Report)など

実習先の現場評価推薦は、卒業後の採用に直結する重要要素です。学期開始前から履歴・志望分野の整理を。


入学要件と英語設計

  • 英語:多くのTAFE・専門学校で**IELTS Academic 5.5(各5.0以上)**が目安
  • 学歴:高校卒業相当
  • 英語が未達の方:付属語学(EAP)やダイレクトエントリーのパッケージ設計が可能
  • 目安期間:挨拶レベル → IELTS5.5 まで9〜11か月(個人差あり)。基準ギリギリより+0.5の余裕を推奨

大学レベル(例:自動車工学系の学士)を目指す場合は、IELTS 6.5(各6.0以上)など、より高い英語基準になるのが一般的です。


学校選び:TAFEか私立か、専攻の違い

  • TAFE(州立):設備・工房・実習ネットワークが厚く、現場力の底上げに強み
  • 私立:時間割やコストに幅。週あたりの接触時間・実習アレンジの実在性は要チェック
  • 専攻の選び方
    • Light Vehicle:乗用車中心。最も汎用性が高い
    • Heavy Commercial Vehicle:大型ディーゼル。物流・資源州で強い需要
    • Automotive Electrical:故障診断と電装に強み。EV/ハイブリッドにも接続しやすい

就職のリアルとキャリア設計

  • 初期ロール:サービス・メンテ、部品交換、点検、定型作業の確実な実施
  • キャリア:診断系(Master Tech)、電装・EV、サービスアドバイザー、工場マネジメント、トレーナー など
  • 応募のコツ:実習での評価、安全文化の理解、診断プロセスの言語化、ツール・スキャンデータの読解、顧客への説明スキル

Heavy/電装の専門性は給与・ポジションで優位に働くことが多く、都市・地域の求人動向も考慮してキャンパスを選ぶのが合理的です。


よくある質問(簡易版)

Q. EV/ハイブリッドは学べますか?
A. 学校や科目オプションにより、高電圧安全/電動化システムの基礎が用意されるケースがあります。最新シラバスは出願前に確認を。

Q. 工具は自分で買う必要がありますか?
A. 多くの学校でユニフォーム/基本工具/教材費が別途必要。概ねA$500〜A$1,000が目安です(学校により差異)。

Q. 全くの未経験でも大丈夫?
A. Cert IIIは初心者前提でカリキュラムが組まれています。英語の余裕と出席・実技時間の確保が成功の鍵です。


当センターの無料サポート

  • 目標(Light/Heavy/電装)に合わせて専攻・キャンパス・開始時期を最適化
  • 付属語学+本コースのパッケージ設計
  • 出願〜CoE〜学生ビザ手続きまで丁寧にサポート
  • 渡航後:住まい・SIM・口座・実習/アルバイト探しの進め方もフォロー

条件・学費・開講は学校・年度で変わります。最新の空き状況や実習枠は個別に確認のうえご案内します。


免責・更新について

本記事は一般的な要件を分かりやすくまとめたもので、学費・入学基準・カリキュラム・実習時間は学校/年度で変更があります。最新情報はお問い合わせください。

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