オーストラリアではオプトメトリスト(Optometrist)が一次眼科医療の重要な担い手として制度化されています。視機能検査・屈折矯正・コンタクト処方・疾患の初期鑑別とリファーなどの臨床を、大学の認定課程+臨床実習で体系的に学ぶのが特徴です。本稿では、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点で、学位の取り方/登録の仕組み/英語・書類の実務/準備ロードマップを整理します。
まず用語整理:職域と制度の違い
- Ophthalmologist(眼科医):医師(医学部→研修→眼科専門医)。診断・外科治療を含む。
- Optometrist(オプトメトリスト/検眼士):視機能検査/屈折矯正/眼鏡・CL処方/疾患の初期鑑別→専門医へ紹介。オーストラリアでは国家登録職。
- Orthoptist(視能訓練士):両眼視機能・斜視・弱視等の検査・訓練に強み。
- 日本との違い:日本は眼科医+視能訓練士の枠組みが中心で、「オプトメトリスト」の国家資格制度は一般的ではありません。海外での制度と職域は別物として理解することが重要です。
資格の骨子:AHPRA登録 × 学位 × 認定
- オーストラリアで臨床に出るには、Optometry Board of Australia(AHPRA 下)への登録が前提。
- 大学課程はOptometry Council of Australia and New Zealand(OCANZ)認定が基本線。
- 典型ルートは下記いずれか:
- Vision Science 学士(BVisSci 等)+ Master of Optometry(MOptom)
- 一体型(学士+修士)」のパッケージ
- いずれも臨床実習(クリニカル・プレースメント)と臨床前実習がカリキュラムに組み込まれ、一次医療の連携(GP/眼科医)やコミュニティ実習に触れるのが標準的です。
大学選定時はOCANZ認定の継続状況と臨床実習の配置(学内クリニック/提携クリニック/地域実習)を必ず確認。
カリキュラムの実像(例)
- 基礎科学:眼の解剖・生理、視覚神経科学、病理、微生物、薬理入門、物理光学
- 視機能:屈折検査、調節・両眼視、視野検査、斜視/弱視評価
- 臨床技能:スリットランプ、生体染色、眼底評価、CLフィッティング、ドライアイ評価
- 一次医療:トリアージ、症状聴取、鑑別の思考プロセス、適切な紹介(リファー)
- 専門トピック:小児/高齢者、職業視力、公衆衛生(原住民医療含む)、低視力リハビリ
- プロフェッショナリズム:倫理、医療安全、感染対策、ドキュメンテーション、ケースレポート
座学→技能実習→臨床プレースメントの三層構造。OSCE 形式の実技評価やケースディスカッションが重視されます。
入学要件の考え方(目安)
- 英語:医療系のためIELTS Academic 7.0(各6.5〜7.0)前後が一般的。足りない場合はEAP(付属英語)+条件付きも検討。
- 学力:高校~学士段階で数学・生物・化学・物理の履修が望ましい(コースにより必修指定あり)。
- 追加要件:無犯罪証明、予防接種・免疫証明、救命講習、WWCC(子ども関連就業チェック)等が臨床前に求められるのが通例。
Vision Science 段階から自然科学の基盤を厚くし、修士(Optometry)で臨床技能に軸足を移す設計が王道です。
大学選びチェックリスト
- OCANZ認定/AHPRA登録に直結する課程か
- 臨床実習のボリュームと配置(学内・地域・遠隔地を含むか)
- 学内クリニックの稼働(患者層・症例数)
- 研究リソース(視覚科学・公衆衛生・CL材料など)
- サポート(アカデミックスキル、臨床前シミュレーション)
- 入学動線(Foundation/学士→修士/一体型、既修得単位の扱い)
- 在学中の地域医療・原住民医療プログラムの有無
出願〜渡航のロードマップ(推奨)
- T–12〜9か月:英語計画(IELTS/OET)、理系科目の成績棚卸し、志望校の要件確定
- T–8〜6か月:願書・志望動機、推薦状、課外活動(ボランティア/医療体験)の整理
- T–5〜3か月:条件付き合格→EAP調整、実習前書類(予防接種、無犯罪証明)準備
- 入学直前:医療用具・白衣、ゴーグル等の実習備品、保険、居住・交通、学内クリニックのオリエン受講
よくある質問(FAQ)
Q. 日本の視能訓練士からのピボットは可能?
A. 既修得科目や実務が単位認定の参考になる場合があります。最終的には各大学が個別審査します。
Q. コンタクトレンズ分野に特化したい。
A. 一般課程にCLの講義・実習が含まれます。学内外クリニックでの症例数や産学連携(レンズメーカー)の有無を比較しましょう。
Q. 卒業後の登録は?
A. AHPRA(Optometry Board of Australia)登録が前提。コース修了・適格性・適正評価などの条件を満たす必要があります(詳細は出願時に最新を確認)。
Q. 英語はどの程度まで上げるべき?
A. 目安はIELTS 7.0。臨床コミュニケーションが肝のため、OSCE対策(ロールプレイ)や医療英語EAPを早期から。
当センターのサポート

当センターでは、オーストラリアの大学で検眼士(Optometrist)を目指す方に向けて、
出願準備からビザ取得までの一連の流れを無料でサポートしています。
- 志望校・専攻の比較と出願要件の確認
- 出願書類の作成サポート(志望動機書・推薦状・英語スコア提出など)
- 大学との出願手続き代行および合格後の入学手続きサポート
- 学生ビザ申請のサポート(必要書類・申請手順の案内)
- 渡航前の生活準備・滞在手続きのご案内
学費や入学条件は毎年変更されます。出願前に最新情報を確認のうえ、最短で安全に進学できるプランをご提案します。
免責・更新
本記事はガイドです。入学基準・学費・登録要件は変更されるため、出願時に各機関の最新情報をご確認ください。

