オーストラリアで「Architect（建築家）」として働くには、大学での建築系専攻 → 認可修士（Master of Architecture）→ 実務経験 → 実務試験（APE）→ 州登録という段階的なプロセスを踏むのが一般的です。建築需要が高い主要都市圏では、設計・環境配慮・都市更新・BIM推進など、建築家の活躍の場は引き続き拡大しています。
2つの代表ルート
- 大学経由の標準ルート
- 学部：Bachelor of Architectural Studies / Architectural Design（通常3年）
- 修士：AACA認可のMaster of Architecture（通常2年）
- 実務：合計2年以上（うち修了後1年以上が目安）
- 試験：APE（Architectural Practice Examination）合格
- 州登録（各州のArchitects Registration Board）
- 学歴・職歴からの直接査定ルート
海外学歴・職歴をもとにAACAの査定を受け、基準充足が認められるとAPE受験へ進めます。判定はケースバイケースのため、内容確認はご本人からAACAへ行う必要があります。
※建築家の登録は州管轄です。プロセスは概ね統一されていますが、運用・必要書類が州ごとに異なる場合があります。
大学で学ぶ内容（学部→修士）
- 設計スタジオ（Design Studio）：住宅〜公共施設、複合用途などスケール別課題
- 構造・環境・建築法規：構造／設備／防火／サステナビリティ／都市計画
- デジタル／BIM：AutoCAD・Revit・Rhino・各種レンダリング
- プロフェッショナル実務：契約・積算・プロジェクト管理・倫理
- 統合課題（修士）：企画〜基本・実施設計までの統合演習
ポートフォリオの考え方
- A3横／1ファイルなど学校指定フォーマットに合わせる
- 図面・模型・レンダリングだけでなく、思考のプロセス（発想→検討→改善）を掲載
- ツール例：Photoshop／Illustrator／InDesign／AutoCAD／Revit／3Dソフト＋手描きの併載
- 共同成果物は自身の役割を明記
英語条件・GPA・提出物（CV／推薦／課題）が課程や大学により異なるため、願書提出前に最新要件を精査しましょう。
キャリアの広がり
- 設計事務所（住宅／公共／商業／文化施設／キャンパス計画 等）
- デベロッパー・ゼネコンの設計／技術部門
- 行政・都市計画関連部局、都市再生機構
- 環境・サステナビリティ領域、BIMコンサル、CM／PM
- 造園・都市デザインと連携するランドスケープ分野との越境
近年は環境性能・循環型設計・木造／ハイブリッド構造・BIM実装の実務経験が評価されやすい傾向にあります。
よくある質問（抜粋）
Q. 学部は建築以外でも修士に入れますか？
A. 大学により、建築系以外の学士から3年制の前置修士やブリッジ課題＋ポートフォリオでの出願ルートを用意するケースがあります。
Q. ポートフォリオが未整備ですが、どう始めれば？
A. 過去課題の再編集とプロセス可視化を最優先に。基礎図学・模型写真・エスキースを丁寧に整理しましょう。
Q. 英語はどの程度必要？
A. 多くの建築系修士はIELTS Academic 6.5（各6.0）前後が目安です。大学付属英語からの進学（EAP）もあります。
Q. 卒業後の働き方は？
A. ビザ・雇用は個別事情により異なります。移民・ビザの助言は有資格の専門家へ。当センターは出願・手続き周りを支援します。
当センターのサポート
- 志望校比較と出願要件の確認
- 出願書類サポート（志望動機・推薦依頼・ポートフォリオ要件整理 など）
- 大学への出願手続き代行／合格後の入学手続き
- 学生ビザ申請の流れ・必要書類の案内
- 渡航準備（住まい・到着前手続き）の基本案内
学費・入学条件・提出物は毎年更新されます。出願前に最新版を必ず確認し、ムダのない動線で準備を進めましょう。
