「英語が好き」「海外が好き」「教える仕事に興味がある」。
こうした思いを、専門的なスキルと資格につなげてくれるのが TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages/英語教授法)です。
オーストラリアは教育水準が高く、多文化社会の中で英語教育が発展している国のひとつ。日本の大学を卒業したばかりの方から、すでに教員として働いている方のスキルアップまで、さまざまなバックグラウンドの方が TESOL 留学でキャリアの幅を広げています。
ここでは、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点から、
- TESOL の基本的な考え方
- オーストラリアで学ぶメリット
- コースの種類とレベル
- 主な大学の位置づけ
- 入学に必要な英語力・学歴の目安
などを整理してご紹介します。
TESOLとは?どんな人向きの専攻か
TESOL は、「英語を母語としない人」に英語を教えるための理論と実践を学ぶ分野です。
- 第二言語習得理論
- 英語教授法(指導アプローチ)
- 教材開発・授業デザイン
- 学習評価(テスト・ルーブリックなど)
- 発音指導・スピーキング指導
- 英語教育に関わるリサーチ方法
といった内容を体系的に学び、「教える技術」を専門的に磨いていきます。
こんな方に向いています。
- 将来、国内外の学校や語学学校で英語を教えたい
- すでに教員として働いていて、英語教授法を専門的に学び直したい
- 日本の英語教育をより良くしたいという思いがある
- 英語教育を軸に、海外就職や国際的なキャリアも視野に入れている
オーストラリアでTESOLを学ぶ主なメリット
1. 多文化環境で「現場に近い」学びができる
オーストラリアの教室には、アジア・ヨーロッパ・南米・中東など、さまざまなバックグラウンドを持つ留学生が集まります。
異なる母語・文化を持つ学習者を対象に「どのように教えるか」を考えること自体が、TESOL の実践そのものです。
2. 理論と実習がセットになった大学院プログラム
多くの大学院 TESOL コースでは、
- 第二言語習得理論・教授法などの講義
- 模擬授業・レッスンプラン作成
- 学校や語学学校での教育実習
を組み合わせて学びます。修了後すぐに現場で活かせる力を身につけやすいのが特徴です。
3. 国際的に通用する学位・資格
オーストラリアの大学院で取得した Master of TESOL / Master of Applied Linguistics(TESOL専攻)などの学位は、多くの国や教育機関で専門性の証明として評価されます。日本国内の大学・専門学校・語学学校だけでなく、海外での就職や転職の際にも強みになります。
4. すでに教員経験がある方は「単位免除」のチャンスも
教育学部卒や教員免許保持者、一定期間の英語教授経験がある方は、入学時に単位免除(クレジット)を認めてもらえるケースがあります。
その場合、通常2年の修士課程を 1〜1.5年で修了できる可能性もあり、時間的・費用的な負担を抑えられます。
オーストラリアのTESOLコースの種類
オーストラリアでは、主に大学院レベルで TESOL コースが開講されています(大学付属の短期 Certificate コースなども一部あり)。代表的なレベルは次の通りです。
| コース名 | 期間の目安 | 位置づけ・特徴 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| Graduate Certificate in TESOL | 約半年 | 大学院レベルの入門コース。TESOL の基礎理論と実践をコンパクトに学ぶ。 | 大学卒業後にまず TESOL を試したい方、短期間で資格を得たい現職教員 |
| Graduate Diploma in TESOL | 約1年 | Certificate より科目数が多く、教授法や評価などをより深く学ぶ。 | 教員経験があり、専門性を高めたい方 |
| Master of TESOL / Master of Applied Linguistics(TESOL専攻 など) | 1〜2年 | TESOL 分野の本格的な修士号。研究と実践をバランス良く学ぶ。 | 大学院レベルでしっかり学び、キャリアチェンジ・海外就職も視野に入れたい方 |
同じ「Master」でも、英語教授経験や関連学位の有無によって 1年・1.5年・2年と在籍期間が変わる大学もあります。
大学院TESOLで学ぶ内容のイメージ
大学やコースによって科目名は異なりますが、典型的な履修内容は次のようなイメージです。
- 第二言語習得理論(Second Language Acquisition)
- 第二言語教授法(Methodology in Second Language Teaching)
- 教育文法・語彙指導(Pedagogical Grammar / Vocabulary Teaching)
- 発音・音声指導(Pronunciation / Prosody and Pedagogy)
- 教室での評価・テスト作成(Assessment and Evaluation in TESOL)
- 教材開発・カリキュラムデザイン
- ESP(特定目的の英語:ビジネス・アカデミック・観光など)
- 教育リサーチの基礎、修士論文(Research in TESOL / Minor Thesis)
- 教育実習・模擬授業(Professional Experience / Practicum)
理論を学ぶだけでなく「実際に授業を設計し、教えてみて、振り返る」というサイクルを繰り返すことで、「説明できる先生」から「教えられる先生」へのステップアップを目指します。
TESOLコースを開講している主な大学
ここでは、TESOL 関連コースを開講している代表的な大学を州別にまとめます(詳細条件・学費は年度によって変わるため、最新情報はカウンセリングで個別にご案内します)。
ニューサウスウェールズ州(シドニー周辺)
- シドニー大学:Master of Education (TESOL) など。英語教師経験者向けの内容が多く、研究色も強め。
- ウーロンゴン大学:Master / Graduate Diploma / Graduate Certificate in TESOL を開講。実習と実践的な授業が評判で、日本人教員の留学先としても人気。
- マッコーリー大学:Applied Linguistics と TESOL を組み合わせたコース構成。言語学寄りの内容をしっかり学びたい方に。
- シドニー工科大学(UTS):TESOL と応用言語学を組み合わせたプログラム。CELTA など関連資格を持つ場合、単位免除の可能性あり。
- 西シドニー大学:Master / Graduate Diploma / Graduate Certificate の複数レベルを用意し、段階的に学びやすいカリキュラム。
クイーンズランド州(ブリスベン周辺)
- クイーンズランド大学(UQ):Master of Applied Linguistics(TESOL専攻)。英語教師としての経験・学歴に応じて 1〜2年コースを選択。
- グリフィス大学:Master of TESOL and Leadership など、TESOL と教育リーダーシップを組み合わせたプログラムが特徴。Graduate Certificate in TESOL もあり、短期での学び直しにも対応。
ビクトリア州(メルボルン)
- メルボルン大学:Master of TESOL および Master of Applied Linguistics(TESOL専攻)。入学英語条件は高めですが、その分アカデミック・研究志向の内容をしっかり学べます。
- そのほか、教育学や言語学の強い大学で TESOL 関連科目を履修できるケースもあります。
サウスオーストラリア州(アデレード)
- フリンダース大学:Master / Graduate Diploma / Graduate Certificate in TESOL を開講。英語教員経験者には単位免除オプションも。
- 南オーストラリア大学:Master of Education(TESOL)。教育学全般に TESOL を組み合わせて学びたい方に向いています。
ウェスタンオーストラリア州(パース)
- エディスコーワン大学(ECU):教育学バックグラウンドを持つ教員向けの高度な TESOL プログラム。教育課題全般も合わせて学べます。
- カーティン大学:Master of TESOL / Graduate Certificate in TESOL を開講。教育経験の有無に応じて期間やレベルを選べる柔軟な設計です。
入学に必要な英語力・学歴の目安
大学やコースによって細かい基準は異なりますが、大学院レベルの TESOL コースではおおむね、
- 英語力:IELTS Academic 6.5以上(セクション 6.0以上)
- 一部の大学・コースでは IELTS 7.0 相当を求められる場合もあります。
- 学歴:学士号(専攻不問)の取得が基本条件
- 教育学部・英語教育系専攻であれば単位免除の可能性あり
- 教員免許や英語教授経験が求められるコースもあります
英語力に不安がある場合は、
- 大学付属英語学校の EAP(進学英語)コース
- ダイレクトエントリー(IELTS 免除で TESOL コースへ進学できるプログラム)
を組み合わせたプランも作成できます。
教員経験がある方の「単位免除」について
すでに英語教員として働いている方や、英語教育に関連した職歴がある方は、
- これまでの実務経験
- 過去の履修科目
- 教員免許や CELTA などの資格
を評価してもらい、一部科目の単位免除を受けられるケースがあります。認められれば、修了までの在籍期間を半年〜1年程度短縮できる可能性があります。
その際は、通常の出願書類に加えて、
- 英文履歴書(CV)
- 職務内容を詳しく記載した英文レファレンス
- 在職証明書(英文)
- 教員免許や関連資格の英文証明
- 大学の成績証明書(英文)
などが必要になります。準備に時間がかかるため、「できれば単位免除も相談したい」という方は、出願予定時期のかなり前から動き始めるのがおすすめです。
オーストラリア大学留学専門サポートセンターの無料相談

オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、TESOL・英語教授法分野への進学について、無料でご相談を承っています。
- 教員免許の有無や現在のご経歴に合わせた大学・コースの提案
- 「まずは半年の Graduate Certificate から」「最初から修士を目指す」など、段階的な学び方の設計
- 各大学の入学条件・英語条件・出願締切の最新情報のご案内
- 英語力に不安がある方向けの「語学学校+TESOL」コンビネーションプラン
- 単位免除(クレジット)を視野に入れた出願準備のアドバイス
- 出願書類の準備サポート、合格後の手続き・渡航準備のフォロー
「今の仕事を続けながら留学を検討したい」「教員経験はあるが、どのレベルのコースが合うか分からない」といった段階でも問題ありません。
オーストラリアで TESOL を学ぶことに興味をお持ちの方は、当センターの無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。一人ひとりのバックグラウンドと将来像に合わせて、最適なプランをご提案します。

