IT(Information Technology)は、教育・ビジネス・行政・医療など、あらゆる分野を支える基盤技術になりました。オンラインショッピング、SNS、スマホアプリ、クラウドサービスなど、私たちの日常生活もITなしでは成り立ちません。
そのITの中でも「コンピュータ・サイエンス(Computer Science)」は、ソフトウェアやアルゴリズム、ネットワーク、セキュリティといった仕組みそのものを設計・開発する分野です。将来エンジニアや開発職としてグローバルに活躍したい方にとって、最も王道となる専攻のひとつと言えます。
オーストラリアの大学では、コンピュータ・サイエンス専攻が充実しており、数学的な基礎からAI・クラウド・セキュリティまで体系的に学べるカリキュラムが整備されています。当センター(オーストラリア大学留学専門サポートセンター)でも、人気の高い専攻のひとつです。
コンピュータ・サイエンスとは? IT・情報システムとの違い
「IT」と一言で言っても、その中身はとても広く、専攻によって学ぶ内容も大きく変わります。代表的な違いは次の通りです。
- コンピュータ・サイエンス(Computer Science / CS)
アルゴリズム、プログラミング言語、データ構造、オペレーティングシステム、ネットワーク、セキュリティなど、ソフトウェアやシステムのコア部分を理論と実装の両面から学ぶ分野。エンジニア・開発職志望の方に最も直結する専攻です。 - インフォメーション・システム(Information Systems / IS)
システム開発プロジェクトの企画・要件定義・ビジネス分析など、「ITをどう活用してビジネス課題を解決するか」に比重を置いた分野。プロジェクトマネージャーやITコンサルタント志望の方向きです。
「コードを書いてプロダクトを作る仕事をしたい」ならCS、「IT導入やプロジェクト全体の設計に関わりたい」ならISというイメージを持っておくと、専攻選びがしやすくなります。
QUTのコンピュータ・サイエンス専攻を例にした学びのイメージ
ここでは、クイーンズランド工科大学(QUT)の Bachelor of Information Technology 内コンピュータ・サイエンス専攻を例に、内容イメージをご紹介します。(実際のカリキュラムは年度により変更されます)
1〜2年次:ITの共通基礎+プログラミング
1年次〜前半では、CS専攻・IS専攻共通のIT基礎科目と、CS専攻の基礎科目を組み合わせて履修します。
- コンピュータの構成・仕組み(ハードウェア/OSの基礎)
- データベースとSQLの基礎
- プログラミング原理(例:Java / C# など)
- ITシステム設計・モデリング(UML など)
- ITが社会・ビジネスに与えるインパクト
この段階で、ソフトウェア開発の流れと、1〜2言語を使った基礎的なコーディング力を身につけます。
2〜3年次:コンピュータ・サイエンスの専門科目
学年が上がるにつれ、よりCSらしい専門科目が増えていきます。例として、以下のような領域を組み合わせて学びます。
- アルゴリズムと計算量(Algorithms and Complexity)
- オブジェクト指向プログラミングとソフトウェア開発
- ネットワークと通信プロトコル
- マイクロプロセッサとデジタルシステム
- Webアプリケーション開発・クラウドコンピューティング
マイナー(副専攻)として、Network & Security、Machine Learning、Cloud Computing などを選ぶこともでき、興味のある分野を深掘りしていきます。
プロジェクト科目・ネットワーク&セキュリティの実践
QUT では、最終学年にかけてチームプロジェクト科目やネットワーク系の応用科目が配置されています。例として、
- ネットワーク管理・サーバ運用(Linuxコマンド、ルーター/スイッチ設定)
- ネットワークセキュリティ(ファイアウォール、VPN、プロキシ、ペネトレーションテスト など)
- クラウド環境でのWebアプリ運用(負荷分散、スケールアウト)
- 最終年度プロジェクト(Capstone Project):チームでシステムやサービスを企画・設計・開発し、成果を発表
実際にCisco機器や仮想環境(例:Kali Linux / Ubuntu)を用いながらネットワークを構成したり、簡易的なハッキング演習を通じて防御側の視点を学ぶなど、教室だけでは身につかない「現場感覚」を養えるのが特徴です。
コンピュータ・サイエンスで身につく力
コンピュータ・サイエンス専攻を3年間学ぶことで、次のような力が身につきます。
- 複数のプログラミング言語を使い分けるスキル
- アルゴリズム・データ構造を理解したうえでの効率的な実装力
- ネットワーク・OS・セキュリティなど、ITインフラの仕組みを横断的に理解する力
- チームでの開発プロジェクトを推進するコミュニケーション力・ドキュメンテーション力
- 新しい技術(クラウド、AI など)を自ら学び続ける自己学習能力
入学時点でIT初心者だった日本人学生も、卒業時には「Webアプリの開発」「ネットワーク構築」「セキュリティ設定」など、複数分野にまたがって手を動かせるレベルに成長しているケースが多く見られます。
日本の高校卒業後、オーストラリアでCSを学ぶ主なルート
日本の高校を卒業してコンピュータ・サイエンス系コースに進学する場合、代表的なルートは次の3つです(学費・条件は大学や年度により変動します)。
ルート1:ファウンデーションコース+大学3年
- 高校卒業後、大学付属カレッジのファウンデーション(準備コース)で8〜12か月学ぶ
- 規定成績を満たすと、大学1年次に進学
- 目安:ファウンデーション学費 約170〜230万円/年、大学 ITコース 約250〜340万円/年 × 3年
高校評定が良好な方で、しっかり基礎から準備して進学したい方に合うルートです。
ルート2:ディプロマコース編入(Diploma+大学2年)
- まず付属カレッジで IT ディプロマを8〜12か月履修(内容は大学1年次相当)
- 規定成績を満たすと大学2年次に編入し、残り2年で学士号を取得
- 目安:ディプロマ学費 約170〜270万円/年、大学 ITコース 約250〜340万円/年 × 2年
大学直入学よりも英語・成績条件が少し緩くなるため、多くの日本人留学生が利用する人気ルートです。
ルート3:大学へ直接入学
- IB Diploma や海外高校卒業資格、SAT など、大学が指定する基準を満たす場合に利用可能
- 3年間の学士課程を通して学ぶ
- 目安:学費 約250〜340万円/年 × 3年
海外大学進学向けカリキュラムをすでに履修している方に向いたルートです。
コンピュータ・サイエンスの主な進学先候補(例)
オーストラリアには、コンピュータ・サイエンスやIT専攻で評価の高い大学が数多くあります。代表例を都市別にまとめると次の通りです。
シドニー
- シドニー工科大学(UTS)
- マッコーリー大学
メルボルン
- スウィンバーン工科大学
- ラ・トローブ大学
ブリスベン
- クイーンズランド工科大学(QUT)
- クイーンズランド大学(UQ)
パース
- カーティン大学
- 西オーストラリア大学
アデレード
- アデレード大学
- 南オーストラリア大学
大学によって「AIに強い」「ネットワーク/セキュリティに強い」「産学連携やインターンシップが充実」など特徴が異なるため、志望分野や将来像から逆算して候補を絞ることが重要です。
卒業後に目指せる主なキャリア
コンピュータ・サイエンス専攻を修了すると、次のような職種を目指すことができます。
- ソフトウェアエンジニア/プログラマー
- Web・モバイルアプリケーション開発者
- フルスタックエンジニア
- クラウドエンジニア・DevOpsエンジニア
- ネットワーク/セキュリティエンジニア
- データエンジニア・機械学習エンジニア(AI分野)
- システム管理者・インフラエンジニア
オーストラリアでも世界的にも、IT人材の需要は高い状態が続いており、特にCS系バックグラウンドを持つエンジニアは、多様な分野にキャリアの選択肢を広げられるのが強みです。
こんな方にコンピュータ・サイエンスはおすすめ
- コードを書いてサービスやアプリを作る仕事がしたい
- AI・クラウド・ネットワークなど、ITを幅広く深く学びたい
- 論理的に考えるのが好きで、コツコツ勉強を続けられるタイプだと思う
- 将来は世界で通用するエンジニアとしてキャリアを築きたい
当センターの無料サポートについて

当センター(オーストラリア大学留学専門サポートセンター)では、コンピュータ・サイエンス専攻を目指す方に向けて、次のようなサポートをすべて無料で行っています。
- 英語力・高校成績を踏まえた進学可能校のリストアップ
- ファウンデーション/ディプロマ/大学直入学ルートの比較と提案
- 志望分野(AI・セキュリティ・ネットワークなど)に合う大学選び
- 出願書類(志望理由書など)のアドバイスと出願手続きサポート
- 入学後の専攻変更・編入についてのご相談
「自分の成績や英語力でどの大学・専攻を目指せるのか知りたい」という段階からお気軽にご相談ください。

