ChatGPTや画像生成AI、レコメンド機能、スマートスピーカー……いまや人工知能(Artificial Intelligence/AI)は、私たちの日常生活のあらゆる場面に入り込んでいます。家電の節電機能や、カスタマーサポートの自動応答、医療・金融・製造業など、AIが活用される産業も急速に広がっています。
日本でもAI人材の育成が課題と言われる一方で、学部レベルからAIを専門的に学べる大学はまだ多くありません。一方オーストラリアでは、学士課程からAI専攻を用意している大学や、コンピュータサイエンスの中で機械学習・データサイエンス・AIを集中的に学べるコースが多数開講されています。
このページでは、オーストラリアで人工知能(AI)を学べる代表的な大学コースと、進学ルートのイメージを、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点から分かりやすくご紹介します。
オーストラリアのAI教育の特徴
- 学士レベルからAI専攻が選べる大学がある(例:ディーキン大学 Bachelor of Artificial Intelligence など)
- 機械学習・データサイエンス・ロボティクスなどを横断的に学べるコンピュータサイエンス系コースが充実
- 州政府や企業と連携したAIハブ・研究センター・インターンシップがあり、産学連携の環境が整っている
- 英語で論文・技術ドキュメントを読み書きしながら学ぶため、「英語+AI」の両方の専門性を身につけやすい
- AI・データサイエンス分野は永住権リストにも関連の深い職種が多く、長期的なキャリアも描きやすい(※制度は随時変更されるため最新情報の確認が必要)
学士レベルでAIを学べる代表的な大学
ここでは、日本の高校卒業レベルから進学しやすく、AI分野に力を入れている大学を例として取り上げます。実際には他にも候補となる大学があるため、志望校選びは個別の成績・英語力を踏まえて検討していきます。
ディーキン大学|Bachelor of Artificial Intelligence
ディーキン大学(Deakin University)は、オーストラリア国内でも早くから人工知能に特化した学士コースを開講している大学のひとつです。AIの理論とプログラミング、データ処理、機械学習アルゴリズムなどを体系的に学べるのが特徴です。
- キャンパス:メルボルン近郊
- コース名:Bachelor of Artificial Intelligence
- 期間:3年
- 入学時期:主に2学期制(例:3月/7月など)
- 入学レベル:日本の高校卒業+一定の評定平均、IELTS 6.0 相当が目安
1〜2年次で数学・プログラミング・アルゴリズム・データ構造といった基礎を固め、3年次にはデータマイニングや機械学習、IoT向けソフトウェア、AIプロジェクトなど、応用的な科目・チームプロジェクト・インターンシップを通して実践力を磨いていきます。
高校の成績や英語力が大学の直接入学基準に満たない場合は、Deakin College のファウンデーション/Diploma 経由での進学ルートも検討できます。
クイーンズランド大学|Bachelor of Computer Science – Machine Learning など
クイーンズランド大学(The University of Queensland/UQ)は、コンピュータサイエンス分野でも評価の高い研究大学です。Bachelor of Computer Science の中で、Machine Learning(機械学習)をはじめとしたAI関連の専攻を選ぶことができます。
- キャンパス:ブリスベン(セントルシア)
- コース名:Bachelor of Computer Science – Machine Learning など
- 期間:3年
- 入学時期:2月/7月
- 入学レベル:ファウンデーションコース経由、またはIB Diploma・SAT等の成績で直接入学
AIアルゴリズム、統計・確率、データサイエンス、ディープラーニングなどを理論と実装の両面から学び、州のAIハブやスタートアップとの連携プロジェクトに参加できる機会もあります。数学・理論寄りでしっかり学びたい方に向いている大学です。
グリフィス大学|データサイエンス×AIに強いコンピュータサイエンス
グリフィス大学(Griffith University)・ゴールドコーストキャンパスでは、データサイエンスとAIの活用に焦点を当てたコンピュータサイエンス系コースを開講しています(例:Bachelor of Computer Science – Data Science and Artificial Intelligence)。
- キャンパス:ゴールドコースト など
- 期間:3年
- 特徴:3年次にはWork Integrated Learning(企業インターンシップ)が単位として組み込まれている
AIアルゴリズムだけでなく、大量のデータをどう整理・分析し、ビジネス価値につなげるかという視点で学べるのが特徴です。Griffith College のDiploma of Information Technology から2年次編入という進学ルートもあり、英語力・成績がやや不安な方でもステップを踏んでAI分野を目指すことができます。
アデレード大学・フリンダース大学・ウーロンゴン大学など
そのほか、以下のような大学でもArtificial Intelligence を専攻/メジャーとして学ぶコースが開講されています。
- アデレード大学:Bachelor of Computer Science – Artificial Intelligence など
- フリンダース大学:Bachelor of Computer Science – Artificial Intelligence、Honoursコースや工学系とのダブルディグリーも選択可
- ウーロンゴン大学:Bachelor of Computer Science (Artificial Intelligence) など
大学ごとに数学重視・実装重視・研究寄り・ビジネス寄りといったカラーが違うため、「将来どのようなAI人材を目指したいか」を整理したうえで、候補校を絞り込んでいくことが大切です。
大学院レベルでAIを本格的に極める場合
すでに日本または他国で学士号を取得している方は、オーストラリアの大学院でAI・機械学習を専門的に学び直すこともできます。ここでは代表的な例をご紹介します。
ディーキン大学|Master of Applied Artificial Intelligence
ディーキン大学では、学士課程に続きMaster of Applied Artificial Intelligence などの大学院コースも開講しています。理論だけでなく「現場でAIをどう使うか」にフォーカスし、ディープラーニング・強化学習・コンピュータビジョン・音声処理などの応用分野も扱います。
学歴や職歴によって2年/1.5年/1年とコース期間が異なり、IT系学士+実務経験がある方は短縮も可能です。
RMIT大学|Master of Applied Artificial Intelligence
RMIT大学(メルボルン)も、AI分野の大学院教育に力を入れている大学のひとつです。Master of Applied Artificial Intelligence では、機械学習・データマイニング・知識表現などをカバーし、AI専用ラボでのプロジェクトにも参加できます。
なお、RMITのAI修士は移民査定機関(ACS)の認定の有無など、将来のビザ・永住権戦略によって評価が変わるケースもあります。移住を視野に入れている場合は、志望校選びの段階から要件を確認しておくことが重要です。
メルボルン大学|Master of Information Technology – Artificial Intelligence
メルボルン大学は、オーストラリア国内でもIT・コンピュータサイエンスで高い評価を受ける研究大学です。Master of Information Technology の専門分野の一つとしてArtificial Intelligence を選択できます。
1年目でプログラミング・ソフトウェア開発・アルゴリズム・ネットワーク・データベースなどの基礎を固めた上で、2年目以降に機械学習・データマイニング・知識ベースシステム・AI倫理・セキュリティなどを履修し、企業プロジェクトやインターンを通じて実務経験を積みます。
ウーロンゴン大学|Master of Computer Science – Machine Learning and Big Data
ウーロンゴン大学では、Master of Computer Science – Machine Learning and Big Data として、機械学習とビッグデータ解析にフォーカスしたコースが開講されています。分野を問わず学士号を持つ方でも、一定の成績があれば出願できるのが特徴です。
代表的な進学ルートのイメージ
日本の高校からオーストラリアのAI系コースを目指す場合、主に次の3パターンがあります。
1. ファウンデーションコース → 大学1年次入学
- 高校卒業後、大学付属カレッジのFoundationで8か月〜1年間学ぶ
- 数学・IT基礎・アカデミック英語を補強しつつ、大学1年次進学を目指す
- 英語力の目安:IELTS 5.5 前後からスタート可能なケースが多い
2. Diplomaコース → 大学2年次編入
- Deakin College や Griffith College などのDiploma of Information Technology/Computer Scienceを履修
- 規定の成績で修了すれば、大学2年次に編入(合計3年で学士号を目指せるイメージ)
- 大学1年目よりも学費が抑えられ、少人数でサポートが手厚いのもメリット
3. 大学へ直接入学
- IB Diploma や SAT などの国際資格、または日本の高校成績が高い場合に選択可能
- 数学や物理など、指定科目の履修が求められるケースもある
- 高校在学中から進路設計と科目選択の戦略を考えることが重要
AI留学後に目指せる主なキャリア
コースや専攻によって名称は異なりますが、AI関連のバックグラウンドを活かして次のような職種を目指すことができます。
- Data Scientist(データサイエンティスト)
- Data Analyst(データアナリスト)
- Machine Learning Engineer(機械学習エンジニア)
- AI Technology Software Engineer(AI技術系ソフトウェアエンジニア)
- AI Architect/AIシステム設計者
- AI Ethicist(AI倫理・ガバナンス担当)
- ビジネスアナリスト/プロダクトマネージャー(AI搭載サービスの企画・運用)
AIは単独の職種というよりも、「どの業界でも使われる横断的な技術」になりつつあります。エンジニア職だけでなく、コンサルティング・企画・スタートアップなど、キャリアパスの幅が広いのも魅力です。
こんな方に人工知能(AI)留学がおすすめ
- 数学やプログラミングが好きで、論理的に物事を考えるのが得意
- 機械学習・ディープラーニング・データサイエンスなどを本格的に学びたい
- 将来はAIを使ってサービスを作ったり、起業したりしたいという思いがある
- 日本だけでなく、海外の最前線の情報やコミュニティにもアクセスしたい
- 英語で論文や技術ドキュメントを読み書きできる力を身につけたい
当センターの無料サポート内容

オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、人工知能(AI)やコンピュータサイエンス分野を目指す方に、次のようなサポートをすべて無料で提供しています。
- 成績・英語力・予算を踏まえた大学・コースの候補リストアップ
- ディーキン大学・クイーンズランド大学・グリフィス大学など、複数校の比較と絞り込み
- Foundation/Diploma/大学直入学の中から現実的な進学ルートの設計
- 出願に必要な書類(エッセイ・履歴書など)のアドバイスと手続きサポート
- 入学後の専攻変更や編入、大学院進学、キャリア相談に関するフォロー
「自分の成績と英語力でどの大学が現実的か知りたい」という情報収集の段階からご相談いただけます。AI分野の留学をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

