オーストラリアでCivil Engineering Draftsperson(土木設計士)を目指すには

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オーストラリアでは人口増加や都市インフラ整備に伴い、道路・橋・ダム・上下水道・再生可能エネルギー関連施設などのプロジェクトが増えています。こうした公共インフラを支える職種のひとつが、土木エンジニアのもとで設計図作成や図面修正を行う Civil Engineering Draftsperson(土木設計士/土木製図技術者)です。

平均年収はおおよそ AUD 80,000〜95,000 程度とされており、ホワイトカラー職として男女問わず活躍しやすいのも特徴です(あくまで目安であり、地域・経験・雇用形態によって大きく変わります)。
「エンジニアリング分野で手に職をつけたい」「将来はオーストラリアで長期的に働く・永住権も視野に入れたい」という方にとって、有力な選択肢の一つになり得る分野です。

本記事では、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点から、 Civil Engineering Draftspersonの仕事内容・必要な資格や英語力・代表的なコース・永住権までの一般的な流れ を、留学情報にフォーカスしてわかりやすく整理します。 ビザ制度は頻繁に改定されるため、最終的な条件確認や申請は必ず専門の移民エージェントや公的情報でチェックしてください。


Civil Engineering Draftsperson(土木設計士)の仕事内容と将来性

Civil Engineering Draftspersonとは?

Civil Engineering Draftsperson は、土木エンジニアの指示のもと、以下のような業務を担当する技術職です。

  • 道路・橋梁・空港・ダム・上下水道などのインフラ構造物の図面作成
  • 2D/3D CADソフトを使った設計図・施工図・詳細図の作成・修正
  • 材料・工法に関する情報をもとにした概算コストや数量の算出
  • 現場での測量や調査データをもとにした図面・モデルのアップデート
  • 土壌・舗装・構造材などの試験データの取りまとめ
  • 法規・規格・契約条件に沿っているかのチェック補助

現場で施工管理を行うというよりは、オフィスや設計事務所の中で、 図面・モデル・仕様書など「設計情報」を整える専門職というイメージに近い仕事です。 AutoCAD・Revit・Civil 3D などの設計ソフトを使った作業が多く、PCが得意な方や細かい作業が好きな方に向いています。

オーストラリアで需要が高い理由

  • 人口増加と都市部への人口集中に伴い、道路・鉄道・上下水道・空港などのインフラ整備が継続的に必要
  • 再生可能エネルギーや都市再開発など、長期の大型プロジェクトが多い
  • オーストラリア資本だけでなく、多国籍企業が参入し技術職のニーズが安定している
  • エンジニアだけでなく、ドラフター/テクニシャン層が不足しがちであること

こうした背景から、Civil Engineering Draftspersonは中長期的な技術職リスト(MLTSSL)に含まれており、 技術・就労ビザや永住権の候補職種としても扱われやすい点が大きな特徴です。


Civil Engineering Draftspersonに必要な資格・コース・英語力

オーストラリアでCivil Engineering Draftspersonとして働き、将来的に技術ビザ・永住ビザを視野に入れる場合、一般的には 「2年以上の関連コース修了」+「スキルアセスメント(技術査定)」+「英語試験」 といったステップを踏みます。

スキルアセスメントには大きく分けて以下の2つのルートがあり、それぞれで求められる資格レベルやコースが異なります。

  • Engineers Australia経由:Associate Degree in Civil Engineering など
  • VETASSESS経由:Advanced Diploma / Diploma of Civil Construction Design など

どのルートが適切かは、現在の学歴・職歴・年齢・希望するビザの種類によって変わります。 ここでは留学検討時にイメージしやすいよう、代表的なコースのレベル感と学習内容を整理します。

Associate Degree in Civil Engineering(準学士)

Associate Degree は、オーストラリアの資格フレームAQFレベル6にあたる準学士号です。 Civil Engineering Draftspersonとしてのスキルを土木工学の基礎から体系的に学べるレベルで、 Engineers Australiaの認可コースを選べば、同団体経由のスキルアセスメントに活用できる可能性があります。

就学期間約2年間
コース費用の目安約 AUD 26,300〜44,020(学校・年度により変動)
入学に必要な英語力IELTS 6.0(各バンド5.5以上)程度が一般的
主な学習内容土木・構造工学の基礎、構造解析、測量、2D/3D CAD、環境・水理工学、プロジェクトマネジメントなど。 インターンや実習を通じて、設計事務所やインフラ企業で働くための実践スキルを身につけます。
想定キャリアBIMコーディネーター、エンジニアリング・アソシエイト、設計ドラフター、Civil/Structural Designer など

※Engineers Australia認可の有無や最新の条件は、必ず各校の公式情報と移民専門家の情報で確認が必要です。

Advanced Diploma / Diploma of Civil Construction Design

Civil Engineering Draftspersonとしてのスキルを、より実務寄り・VET(職業教育訓練)レベルで学びたい場合に選ばれるのが Advanced Diploma of Civil Construction Design や Diploma of Civil Construction Designです。 学校によっては DiplomaとAdvanced Diplomaを組み合わせたパッケージで2年構成になっているケースもあります。

就学期間約2年間
コース費用の目安約 AUD 26,400〜36,940(学校・年度により変動)
入学に必要な英語力IELTS 5.5〜6.0(各バンド5.0〜5.5以上)が目安
主な学習内容道路・橋梁・基礎・排水などの詳細設計、2D/3D CADを用いた図面・モデル作成、地盤・舗装の評価、 プロジェクトスケジューリング、品質・安全管理など。
想定キャリアCivil Engineering Draftsperson / Design Draftsperson、Civil Engineering Technician、 Civil Works Designer など

VETASSESS経由のスキルアセスメントを目指す場合、こうしたAdvanced Diploma / Diplomaレベルの資格に加え、 卒業後の関連職での就労経験ポートフォリオ提出などが求められることがあります。

Dual Diploma of Engineering – Technical & Civil Construction Design

Dual Diploma(2つのDiplomaをまとめて2年で修了するパッケージ)を提供する学校もあります。 工学の基礎からスタートし、最終的に土木分野に特化した設計スキルを高めたい方に適した構成です。

就学期間約2年間
コース費用の目安約 AUD 26,250〜(学校・プロモーションにより変動)
入学に必要な英語力IELTS 6.0(各バンド5.5以上)が目安
Diploma of Engineering – Technical の内容工学数学・力学、3D CADモデリング、鉄骨・鋼構造のディテール、基礎的な構造計算、 プロジェクト管理など工学全般の基礎スキル。
Diploma of Civil Construction Design の内容道路・舗装・基礎・排水・コンクリート・鋼構造物など、土木分野に特化した詳細設計、 現場測量データを活かした設計・検証など、土木設計実務に直結する内容。
想定キャリアCADドラフター、Mechanical/Civil Engineering Designer、Structural Engineering Technician など

Civil Engineering Draftspersonとして永住権を目指す4つのステップ(概要)

ここからは、オーストラリアでCivil Engineering Draftspersonを目指す方が、 一般的に検討することの多い4つのステップを簡単に整理します。 実際のビザ要件は頻繁に変わるため、必ず最新の公式情報と移民専門家のアドバイスを併用してください。

STEP 1:関連コースを2年間履修

  • MLTSSL(中長期戦略技能リスト)に掲載されているCivil Engineering Draftspersonに関連するコースを、2年以上(92週以上)修了
  • 代表例:
    • Associate Degree in Civil Engineering(Engineers Australiaルート)
    • Advanced Diploma / Diploma of Civil Construction Design、Dual Diploma(VETASSESSルート)
  • 卒業後のスキルアセスメントに対応したカリキュラムかどうかを事前に確認することが重要です。

STEP 2:卒業ビザ Subclass 485 の申請(Post-Vocational Education Work stream)

2年以上の対象コースを修了した留学生は、条件を満たせば Temporary Graduate visa(Subclass 485)のうち、 職業教育ルートのストリームを申請できる可能性があります。

  • 有効期間:おおよそ1.5年程度(申請時期や制度により変動)
  • 在留中はフルタイム就労が可能であることが大きなメリット
  • この期間に関連職での就労経験を積み、フル・スキルアセスメントの条件を整えていきます。

※英語条件や対象コースの認定基準など、詳細は移民局の公式サイト・移民エージェントへ必ずご確認ください。

STEP 3:Full Skill Assessment(フル・スキルアセスメント)

Civil Engineering Draftspersonの技術査定機関は主に以下のいずれかです。

  • Engineers Australia
  • VETASSESS

目安として、下記のような要件が検討されます(実際の条件は必ず最新情報で確認してください)。

Engineers Australiaルート認定された Associate Degree in Civil Engineering などのコース修了が前提となるケースが多い。 コース認定の有無は大学・TAFEごとに異なるため要確認。
VETASSESSルートAdvanced Diploma / Diploma of Civil Construction Design 等の修了に加え、 卒業後に最低1年間(週20時間以上)の関連職での就労経験、ポートフォリオ提出などが求められることが多い。

STEP 4:技術・就労ビザ/永住ビザの検討

Civil Engineering Draftspersonは、MLTSSLおよび関連リストに掲載されているため、 条件を満たせば以下のようなビザを検討することになります。

  • サブクラス186:Employer Nomination Scheme(雇用主指名永住ビザ)
  • サブクラス189:Skilled Independent(ポイント制 技術独立永住ビザ)
  • サブクラス190:Skilled Nominated(州指名技術永住ビザ)
  • サブクラス482:Skilled In Demand Visa(雇用主スポンサー就労ビザ)
  • サブクラス491:Skilled Work Regional(地方州スポンサー暫定ビザ)
  • サブクラス494:Skilled Employer Sponsored Regional(地方雇用主スポンサー暫定ビザ)

※必要なポイント数、年齢制限、英語スコア、就労年数などはビザの種類・時期により大きく変わるため、 「永住権の可能性」については必ず移民専門家と個別にご相談ください。 オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、進学プランを整理したうえで、 必要に応じて提携の移民エージェントをご紹介する形でサポートしています。


Civil Engineering Draftspersonを目指せる代表的な学校

ここでは、Civil Engineering Draftsperson関連コースを提供している代表的な教育機関をいくつかご紹介します。 学費・入学条件は頻繁に変更されるため、最新情報は各校の公式サイトや当センターまでお問い合わせください。

TAFE Queensland(テイフ・クイーンズランド)

クイーンズランド州政府が運営する州立の職業訓練校で、設備・知名度・サポートのバランスが良い人気校です。 現地学生も多く学んでおり、ローカルに近い環境で学べるのが魅力です。

コース名Associate Degree in Civil Engineering
キャンパスBrisbane など
コース期間2年
学費目安AUD 26,080(2025年7月時点の一例。年度により変動)
入学条件高卒以上、IELTS 6.0(各バンド5.5以上)相当の英語力

Site Institute(サイト・インスティテュート)

職業訓練分野に特化した教育グループが運営する学校で、 Dual Diploma(2つのDiplomaを2年で修了)が特徴的です。 CAD・土木設計を実務寄りにしっかり学びたい方に向いています。

コース名Diploma of Engineering – Technical / Diploma of Civil Construction Design(Dual Diploma)
キャンパスBrisbane
コース期間2年
学費目安AUD 26,050(2025年7月時点の一例)
入学条件高卒以上、IELTS 6.0(各バンド5.5以上)相当の英語力

Albright Institute(オールブライト・インスティチュート)

メルボルン・シドニー・アデレード・ブリスベンにキャンパスを持つ学校で、 学費が比較的リーズナブルで国際色豊かな学生構成が特徴です。 都市を選びたい方、コストを抑えつつ土木設計を学びたい方に検討されることが多い学校です。

コース名Diploma of Civil Construction Design / Advanced Diploma of Civil Construction Design
キャンパスMelbourne, Perth, Adelaide, Brisbane など
コース期間2年
学費目安AUD 19,700(豪州国内申込)〜 20,700(海外申込)前後(2025年7月時点の一例)
入学条件高卒以上、IELTS 5.5(各バンド5.5以上)相当の英語力

その他、Civil Engineering Draftsperson関連コースを持つ主な学校

  • QLD:Australian Language Schools(ALS)、Sydney School of Business and Technology、Skills Institute Australia、Australian College of Technology and Business、Canterbury Technical Institute(CTI) など
  • NSW:Sydney School of Business and Technology、TAFE NSW など
  • VIC:Albright Institute など
  • SA:TAFE SA、Skills Institute Australia など
  • WA:TAFE WA、Skills Institute Australia など

※同じ「Civil Construction Design」でも、カリキュラム内容や実習の有無、卒業後の進路サポートは学校ごとに大きく異なります。 大学進学との組み合わせや、他の工学系分野への進路変更のしやすさなども含めて比較検討することをおすすめします。


進学プランの相談はオーストラリア大学留学専門サポートセンターへ

オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、 工学系・インフラ系の進学を目指す方のための「大学+TAFE/専門学校」プランを数多くサポートしてきました。

  • 高校の成績・専攻・年齢・予算から、現実的な進学ルート(大学/TAFE/専門学校)をご提案
  • 英語力に応じた語学学校+工学系コースのパッケージ手配
  • 卒業後のキャリアを見据えた地方キャンパス選び・専攻組み合わせの相談
  • 必要に応じて、提携の移民エージェントをご紹介し、ビザや永住権に関する最新情報を専門家から確認できる体制

「Civil Engineering Draftspersonとして本当に就職できるのか?」「自分の学歴や英語力でどこまで目指せるのか?」など、 個別の状況によってベストな選択肢は大きく変わります。
まずは現在のご状況と希望をお伺いしたうえで、一緒に現実的なステップを整理していきましょう。

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