オーストラリアで聴覚学(Audiology)を学ぶ|聴覚士(Audiologist)になるための大学院進学・入学条件・費用ガイド

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オーストラリアでは、聴覚士(Audiologist)は医療・教育・福祉分野の重要な専門職として高い需要があります。
難聴や耳鳴り、聴覚処理障害など、聴覚に関する診断・補聴・リハビリテーションを担う専門職であり、医療チームの一員として患者の生活の質(QOL)向上に貢献します。

本記事では、オーストラリアでAudiologistを目指すための大学院進学ルート、入学条件、学費、資格登録制度を、留学生向けに分かりやすく解説します。


オーストラリアの聴覚学とは

聴覚学(Audiology)は、「音」や「聴覚機能」に焦点を当てる医学・科学の一分野です。
音波の伝達、生理学的な聴覚反応、難聴・聴覚障害の評価、補聴器・人工内耳の適合、聴覚リハビリなど、人間の聴覚に関する幅広い知識と技術を扱います。

しばしば言語療法(Speech Pathology)と混同されますが、両者の専門領域は次のように異なります:

職種対象とする問題主な業務内容
Audiologist(聴覚士)難聴・耳疾患・聴覚障害聴力検査・補聴器適合・リハビリ・聴覚カウンセリング
Speech Pathologist(言語療法士)発話・発音・理解・嚥下発音訓練・言語発達支援・摂食訓練

オーストラリアでは、両分野が連携し「聴こえ」と「話す力」の両側面から支援するケースも多く、Audiologyはその基礎を担う重要職種です。


聴覚士(Audiologist)になるためのルート

オーストラリアでAudiologistとして認定を受ける方法は以下の2通りです。

① Audiology Australia 認可の修士課程を修了する

オーストラリアで聴覚士として働くには、Audiology Australia(オーストラリア聴覚士協会)が認定する修士課程(Master of Clinical Audiology / Master of Audiology Studies)を修了する必要があります。
これが最も一般的で、留学生が取得できる唯一のルートです。

② 海外資格保持者として同等性審査を受ける

すでに海外で聴覚士資格を保有している場合は、Audiology Australiaの同等性審査を受け、資格・職歴・英語力・学歴がオーストラリア基準と同等と認められれば登録可能です。
ただし、日本での学士号のみでは認定されないため、多くの場合はオーストラリアの修士課程を修了する必要があります。

審査に関する詳細はAudiology Australia公式サイトをご参照ください。


入学要件(Master of Audiology)

🎓 学歴

多くの大学では以下の分野での学士号を求めます:

  • 健康科学(Health Science)
  • 生理学・神経科学(Physiology / Neuroscience)
  • 心理学(Psychology)
  • 生物学・生命科学(Biology / Life Science)
  • 音楽・音響学(Music / Acoustics)
  • 言語学・教育学・行動科学など

※一部大学ではWAM65〜70%以上の成績(日本のGPA3.0〜相当)を求めます。

🗣 英語要件

  • IELTS Academic 7.0(各セクション7.0以上)
    一部大学では6.5(各6.0)を許容する場合あり。
  • TOEFL iBT 100(各24以上)またはPTE Academic 65以上も可。

Audiology Australia認可の主要大学院(留学生受入あり)

大学名コース名都市学費(年)入学時期英語要件備考
The University of MelbourneMaster of Clinical Audiologyメルボルン約A$55,6002月IELTS7.0(各7.0)最難関校の一つ。ショートビデオ面接あり。
Macquarie UniversityMaster of Clinical Audiologyシドニー約A$55,2002月IELTS7.0(各7.0)音響・心理学系背景者に人気。WAM65%以上。
The University of QueenslandMaster of Audiology Studiesブリスベン約A$49,4002月IELTS7.0(各7.0)実習施設が豊富。上位成績者優先選考。
The University of Western AustraliaMaster of Clinical Audiologyパース約A$48,4002月IELTS7.0(各7.0)WAM65%以上。研究・臨床バランスが取れた大学。
La Trobe UniversityMaster of Clinical Audiologyメルボルン約A$44,2003月IELTS7.0(各7.0)実践重視のカリキュラム。医療科学系学士が有利。
Flinders UniversityMaster of Audiologyアデレード約A$50,4003月IELTS6.5(各6.0)EAP経由で進学可能。留学生に人気。

学費・期間の目安

  • 期間:2年間(修士課程)
  • 年間学費:A$44,000〜A$56,000(約430〜550万円)
  • 総費用(学費+生活費):約A$120,000〜A$140,000(2年間)

医療系修士の中でも費用はやや高額ですが、専門性が高く就職率も安定しています。


卒業後の資格登録とキャリア

修了後、Audiology Australiaに登録することで、正式な聴覚士(Audiologist)として就業可能になります。
登録後は、病院、クリニック、学校、研究機関、補聴器メーカーなど幅広い分野で活躍できます。

主な就職先

  • 公立・私立病院(聴覚外来・耳鼻咽喉科)
  • 聴覚センター・補聴器クリニック
  • 学校・教育現場(発達・難聴支援)
  • 研究機関(聴覚科学・音響工学)
  • 国際援助・リハビリ関連機関(NGOなど)

オーストラリア政府の雇用予測によると、聴覚士は2026年までに約9%の需要増加が見込まれています。


入学までの準備ステップ

① IELTS試験を受験

まずはIELTS Academicを受験し、自身の英語力を客観的に把握しましょう。

  • 目標スコア:7.0(各7.0以上)
  • 主催団体:日本英語検定協会 / IDP / JSAF

② 必要書類の準備

出願には以下の書類が必要です:

  • 最終学歴の卒業証明書・成績証明書(日本語+英語)
  • IELTSスコアまたはTOEFLスコア
  • パスポートコピー
  • Personal Statement(志望理由書)

③ 出願と面接

オンライン申請 → 書類審査 → オンラインインタビュー(大学による)を経て、合格者にOffer Letterが発行されます。


Audiologyを目指す方へ

Audiologyは、医療・工学・心理学を横断する非常に専門的な分野です。
耳の構造を理解する解剖学的知識だけでなく、音・脳・言語を結びつける総合的な視点が求められます。
その分、やりがいと社会的意義の大きい職業であり、今後の高齢化社会においてますます需要が高まる領域です。

🎓 「聴こえを通して人の生活を支えたい」
そんな思いを持つ方に、オーストラリアのAudiology修士課程は最適な選択です。


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