「操縦(Pilot)」「航空管制官(ATC)」「航空マネジメント(Aviation Management)」の3トラックを1記事で比較・整理。学位の選び方、必要資格(CPL/IR/MEIR等)、学費とフライト訓練費のリアル、代表大学、ATCの就業ルートまでをオーストラリア大学留学専門センターが実務目線で解説します。※CA(客室乗務員)は別記事でご案内します。
オーストラリアで「航空学」を選ぶ理由
- 実地中心のカリキュラム:最新のシミュレーター、業界連携PBL、空港・管制関連機関との接点が多い。
- 英語×安全基準の強さ:国際運用を前提とした英語運用能力・安全文化を徹底。
- 職種の幅:操縦・運航管理・空港運営・安全管理・規制対応など、空の仕事を学内で横断できる。
3つの進路を一望:Pilot/ATC/Management
分野 | 主な学び | 取得・到達目標 | 入口(典型) |
---|---|---|---|
Pilot(操縦) | 空気力学、航法、気象、計画、実技訓練 | CPL(事業用)+IR(計器)+MEIR(多発計器) | Bachelor of Aviation(Pilot系)+提携フライトスクール |
ATC(航空管制官) | 航空法、ATC手順、気象、航空安全、通信 | 採用後の専門訓練修了→配置 | 多くはAirservices Australia等の採用→ATC訓練(大学は基礎素養に有利) |
Management(航空管理) | 空港運営、運航管理、SMS(安全)、航空法・財務・物流 | 航空会社・空港・規制機関・MRO等での運用/企画職 | Bachelor of Aviation(Management系)や商学×航空 |
ポイント:Pilot=大学+フライト訓練の二層構造、ATC=採用後訓練が中核、Management=学術+業務直結スキルという設計思想の違いを把握しましょう。
パイロット養成(大学×フライト訓練)の基本
- 多くの大学でBachelor of AviationにPilotとManagementの2専攻。
- フライト訓練費の扱いが大学で異なる:
- 授業料に最低限の訓練費を含むタイプ(例:スウィンバーン、RMITの一部)
- 完全に別払いで提携スクールに直接支払うタイプ(例:アデレード、グリフィス など)
- 進路は学士+Graduate DiplomaでCPL/IR/MEIRまで到達するパス、CPLのみで段階的に積むパス等に分岐。
フライト訓練費・取得できるライセンスの目安
主な資格
- CPL(Commercial Pilot Licence):商業飛行の基本免許
- IR(Instrument Rating):計器飛行(IFR)対応
- SEIR(単発)/MEIR(多発)
- 航空会社志望はCPL+MEIRが実務上の定番。
費用感(授業料とは別に発生する/含むは学校により差)
- CPLまで:概ね A$80,000〜A$100,000
- CPL+IR(SE/ME):概ね A$110,000〜A$140,000
- 学士+最低限の訓練費を内包する大学の総額感:3年間でA$22万超が目安
※試験料・追加訓練・教材・制服・機器・保険・健康診断・生活費は別途。毎年改定あり。
代表的な開講大学(操縦/マネジメント)
下記は弊社でご案内可能な主要校の例です。要件・費用は年度で改定されます。
操縦(Pilot系)
- アデレード大学:Bachelor of Aviation(Pilot)+選択でGraduate Diploma in Aviation(CPL/IR/MEIRまで対応)。学費に訓練費は原則別、Grad Dip側に訓練費を内包。入学:2月/7月。
- グリフィス大学:Bachelor of Aviation(2年制カリキュラム)。訓練費は別(提携スクールへ)。成績により直接入学/Foundation経由。入学:2月/7月。
- RMIT大学:
- Associate Degree in Aviation(Professional Pilots)2年(最低訓練分を内包)
- その後 Bachelor 3年次編入可(編入年の訓練費は別)。入学:2月/7月。
- スウィンバーン工科大学:Bachelor of Aviation and Piloting 3年(最低訓練分を内包)。入学:2月/7月。
航空マネジメント(Management系)
- 南オーストラリア大学:Bachelor of Aviation(Management)。空港運営、運航、航空安全、財務・法などを体系化。入学:2月/7月。
- グリフィス大学:Bachelor of Aviation Management。ブリスベン拠点、業界科目+選択の幅。入学:2月/6月(年度変動)。
- スウィンバーン工科大学:Bachelor of Aviation Management。運用・人員・安全・収益管理を横断。入学:3月/8月。
- エディスコーワン大学:Bachelor of Aviation。西豪の産業基盤と結びつく実務科目。入学:2月/7月。
航空管制官(ATC)のキャリアルート
- ATCは一般に「採用→訓練→配置」の就業型育成です。多くのケースでAirservices Australia等の採用試験に合格し、自社訓練(アカデミー)を修了後、各管制業務へ。
- 大学でATCの国家資格そのものは取得しません(関連知識として航空学・航空マネジメント・気象・ヒューマンファクター等は有利)。
- 留学生の立場:採用要件・就労ビザ条件は随時改定されます。当センターはビザ助言は行いません。応募可否・要件は募集機関の公式情報をご確認ください。
- 大学進学を使うなら、Aviation ManagementやSafety/Operations系を学び、英語・航空知識・シチュエーション判断を強化→ATC採用試験に臨むのが現実的です。
出願要件の目安(英語・学力・書類)
- 英語:多くの学士は IELTS Academic 6.0–6.5(各6.0) 目安。大学・専攻で差あり。
- 数学/理系素養:Pilot系は高校数学(場合により物理)を履修推奨/条件化されることあり。
- 書類:成績証明、卒業証明、英語スコア、パスポート。場合により志望理由書・CV・面接。
- 編入経路:高校成績が足りない場合、Foundation / Diploma経由で2年次編入や1年次入学へ接続。
予算設計と年次スケジュール
概算予算(例/Pilot系3年)
- 学費:A$40–65K/年 × 3年
- フライト訓練:A$110–140K(内包型は総額に含有/上限超過は都度追加)
- その他:試験・教材・保険・健康診断・制服・生活費 など
→ 総額A$22万〜が一つの目安(大学・到達資格・為替で上下)
準備スケジュール(最短6–9か月)
- T–9〜6:学校比較、必要科目の確認、IELTS対策開始
- T–6〜4:出願書類作成、成績英訳、推薦書(必要時)
- T–4〜2:合否待ち→受諾→デポジット→訓練枠の事前確認
- T–2〜0:COE/ビザ申請、住居/保険、到着後手配
よくある質問(FAQ)
Q1. 学費にフライト訓練費は含まれますか?
A. 大学により異なります。最低限を内包する学校もあれば完全別払いの学校も。内包校でも上限超過分は実費になるのが一般的です。
Q2. どの資格まで取れば就職に有利ですか?
A. 航空会社志望はCPL+MEIRが定番。大学×提携スクールの到達上限(CPLのみ/IRまで/MEIRまで)を必ず確認しましょう。
Q3. 航空管制官は大学で目指せますか?
A. 大学で国家資格は取得できません。関連学修→ATC採用試験→採用後の専門訓練が王道です。
Q4. 高校が普通科ですが大丈夫?
A. 可能です。Pilot系は数学(物理)が有利。成績が届かない場合はFoundation/Diploma経由を検討しましょう。
Q5. 予算が不安です
A. 訓練費は最大の変動要因です。内包型でも追加が出る想定で余裕資金+為替リスクを見込みましょう。
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