オーストラリアで社会福祉士(ソーシャルワーカー)を目指したい──。
そんな方にとって最初の壁が「どの大学・大学院を選ぶべきか」ではないでしょうか。
本記事では、AASW(オーストラリア社会福祉協会)認定コースの見分け方や、学士・修士どちらで進むべきかの判断基準、英語要件(IELTS7.0目安)や出願準備の流れまでを、専門センターの視点で実務的に解説します。
なぜ「オーストラリアのソーシャルワーク」なのか
- 社会福祉のプロが中核:医療・教育・司法・地域福祉など横断領域で、評価・連携・支援設計・実施まで担う“現場のリーダー”として機能。
- 実習ベースの教育:学内での理論科目に加えて複数回の現場実習が組み込まれ、卒業後に即応できる実務力を養成。
- 需要と安定性:地方都市・地域拠点も含め人材ニーズが底堅い。中規模州都(例:パース/アデレード)や地方圏は特に求人が安定。
- 明確な登録ルール:AASW認定コースの修了+英語要件という、登録までの道筋が明確で計画が立てやすい。
資格取得の前提:AASW認定と英語要件
- AASW(Australian Association of Social Workers)認定の大学または大学院で学ぶことが必須(TAFE等の専門学校ルートは不可)。
- 大学卒業後の登録には英語力証明(IELTS Academic Overall 7.0/各7.0目安)が求められます。
- 多くの大学で入学時の英語基準も IELTS 7.0へ引き上げ。英語コースからの自動進学(免除)ではなく、入学前にスコア提出が必要なケースが増えています。
学士 or 修士、どちらで目指す?(判断軸)
学士(Bachelor of Social Work:通常4年)
- 対象:高校卒業/学士未取得の方。
- 特徴:基礎理論+アセスメント、ケースワーク、政策、実習を段階的に。
- パスウェイ:多くはFoundation/Diploma → 学部。成績次第で直接入学も可。
- メリット:職能基盤を広く身につけられ、実習回数も十分。
修士(Master of Social Work(Qualifying):通常2年)
- 対象:学士号保有者(社会科学・行動科学分野を一定数履修していることが条件)。
- 特徴:既修の学士を土台に短期集中的に専門性+実習で仕上げる。
- 追加書類:Personal Statement/CV を求める大学あり。
- メリット:学歴の“載せ替え”ができ、社会人のキャリア転換にも相性◎。
学歴別パスウェイ(実務視点で最短・安全ルート)
- 高校卒業(看護・心理等の学位なし)
→ Foundation/Diploma(8–12か月)→ Bachelor of Social Work(4年)
※合計年数は3.5–5年が目安(入学方式や単位認定で変動)。 - 学士保有(社会・行動科学の履修が十分)
→ Master of Social Work(Qualifying/2年) へ直出願。 - 学士はあるが履修が足りない
→ 大学指定のBridging/Graduate Certificate → Master 進学(例:FlindersのGraduate Certificate経由、Western SydneyのBridging経由)。 - 英語が基準未達
→ 先にIELTS受験。必要に応じて附属語学+パッケージ出願を早期検討(席確保の観点で早めの申込み→CoE発行まで進めるのが得策)。
出願~入学~実習の流れ(共通の型)
- 英語スコア準備:IELTS Academic 7.0(各7.0)を狙う。
- 書類一式:成績証明(英語版/日本語版)、卒業証明、パスポート、(修士は)CV/Personal Statement。
- 大学査定→Offer→受諾→初期費用支払い→CoE発行で席確定。
- 学修+実習:理論科目と現場実習(複数回)を履修。
- 修了→AASW登録申請(英語要件含む)。
実習について:配属先は医療・教育・司法・地域福祉など多岐。配属は大学の配置担当と連携して決定されます(自己開拓の併用も可)。
代表的な大学(抜粋・学士)
- クイーンズランド大学(UQ/ブリスベン)
Bachelor of Social Work(Honours)|A$43,200/年(2025)|入学:2月 - QUT(ブリスベン)
Bachelor of Social Work|A$36,600/年(2025)|入学:2月・7月 - グリフィス大学(ゴールドコースト/ローガン)
Bachelor of Social Work(Honours)|A$34,500/年(2025)|入学:2月・7月 - フリンダース大学(アデレード)
Bachelor of Social Work|A$34,600/年(2025)|入学:3月・7月 - サザンクロス大学(ゴールドコースト)
Bachelor of Social Work|A$25,000/年(2025)|入学:3月・6月
上記以外にも、UOW/RMIT/ラトローブ/UWA/UTAS 等で開講。英語基準は原則 IELTS 7.0(各7.0)が目安です。
代表的な大学(抜粋・修士 / Qualifying)
- クイーンズランド大学(UQ)
Master of Social Work Studies(2年)|A$43,200/年(2025)|入学:2月 - QUT
Master of Social Work(Qualifying)(2年)|A$36,000/年(2025)|入学:2月 - フリンダース大学
Master of Social Work(Graduate Entry)(2年)|A$37,200/年(2025)|入学:3月・7月 - ウーロンゴン大学(UOW)
Master of Social Work(Qualifying)(2年)|A$37,344/年(2025)|入学:2月・7月 - サザンクロス大学
Master of Social Work(Qualifying)(2年)|A$25,000/年(2025)|入学:2月・10月
Bridging経由:Flinders(Graduate Certificate in Society and the Individual)、Western Sydney(Postgraduate Bridging Program)など、履修要件が不足する方向けの進学路も用意されています。
よくある質問(FAQ)
Q1:英語はどれくらい必要?
A:入学時も登録時も IELTS Academic 7.0(各7.0)目安。最近は入学前スコア提出が必須の大学が増えています。
Q2:学士と修士、どちらが就職に有利?
A:AASW認定の“登録可能学位”であることが最重要。学士は基礎から、修士は短期集中で専門性を高めます。ご年齢・既存学位・費用・在学期間で選びましょう。
Q3:実習は自分で探す?
A:多くは大学の配置担当が調整。希望があれば自己開拓の相談も可。車両・通勤時間・無給前提など実務条件も理解しておくと安心です。
Q4:出願締切に間に合わない場合は?
A:席は先着&CoE確定で固定。締切のある大学は前倒しで準備を。英語が未達でも語学パッケージで席を先に押さえる戦略が有効です。
Q5:奨学金はありますか?
A:大学によって授業料10–30%相当の自動付与があるケースも。地方キャンパス/オフピーク入学は学費・生活費の圧縮余地があります。
Q6:大学選びのポイントは?
A:AASW認定の有無/英語基準/実習配置の手厚さ/都市か地方か(求人傾向)/学費総額と在学年数。この5軸で比較すると失敗が少ないです。
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