「スポーツに関わる仕事がしたい」「アスリートを支える側の専門家として活躍したい」という理由から、スポーツサイエンス(スポーツ科学・運動科学)を希望されるご相談が年々増えています。
オーストラリアは、スポーツサイエンス分野の大学ランキングで世界上位に入る大学が多く、実習や現場経験も豊富に組み込まれているのが特徴です。本記事では、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点から、スポーツ科学の学びの内容、スポーツビジネスとの関係、代表的な大学、出願までの流れを整理してご紹介します。
スポーツビジネスとスポーツ科学の関係
スポーツは「プレーする人」だけでなく、「観る人」「支える人」「ビジネスとして運営する人」が関わる巨大な産業です。
プレーヤーが生み出す経済効果
スター選手が活躍すると、その競技人口が増え、関連グッズやウェア、用具、スポンサー商品の売上が伸びます。
- ユニフォーム・シューズ・ラケットなどのスポーツ用品
- その選手が使うブランドのギアやウェア
- CM・SNSを通じた広告効果
など、アスリートの活躍はさまざまな形で経済に影響します。
観戦者・サポーターが生み出す経済効果
「プレーする側」だけでなく「観戦する側」も大きな経済効果を生み出します。
- チケット・グッズ販売
- 放映権料や配信サービスの視聴料
- 観戦のための交通費・宿泊費
- スタジアム周辺の飲食・小売・観光
- 大会運営・イベントスタッフなどの雇用
ワールドカップやオリンピックのような国際大会ともなれば、インフラ整備や都市ブランド向上まで含めて、国単位の大きなプロジェクトとなります。
こうしたスポーツ産業全体を支える専門知識として発展してきたのが「スポーツ科学」「スポーツマネジメント」です。
アスリートを支える「スポーツ科学」とは
スポーツ科学は、アスリートや一般の人々が「安全かつ効果的に身体を動かす」ための科学的な知識と技術を扱う学問です。
- 解剖学・生理学(筋肉や骨、心肺機能など身体の仕組み)
- トレーニング理論・コンディショニング
- バイオメカニクス(生体力学)・動作解析
- スポーツ心理学・メンタルトレーニング
- 栄養学・食事管理
- リハビリテーション・怪我の予防
などを体系的に学び、アスリートやチームのパフォーマンスを最大化することを目指します。
スポーツサイエンティストやストレングス&コンディショニングコーチ、アスレティックトレーナー、フィットネスインストラクター、健康づくりの運動指導者など、活躍の場はプロスポーツから一般のフィットネス、医療・福祉分野まで広がっています。
スポーツマネジメントとの違い
スポーツ科学が「身体・心理の専門家」としてアスリート個人を支える分野だとすれば、スポーツマネジメントはスポーツチームやイベント、クラブ運営などを「ビジネス面から支える」分野です。
- クラブ運営・ファンクラブ運営
- 試合やイベントの企画・集客
- スポンサーシップ・マーケティング・広報
- 放映権・チケット・グッズなどの収益構造設計
などが主な領域です。
「選手の隣でトレーニングを支えたい」のか、「チームやリーグ全体を運営する側に回りたいのか」によって、進むべき専攻(スポーツ科学/スポーツマネジメント)は変わってきます。
オーストラリアでスポーツサイエンスを学ぶメリット
世界的評価の高い教育水準
オーストラリアには、スポーツ科学分野の世界ランキングで上位に入る大学が多数あります。特にディーキン大学やクイーンズランド大学は、運動生理学・バイオメカニクス・ストレングス&コンディショニング・スポーツ心理学などを実験設備の整った環境で学べることで知られています。
実習・現場経験が豊富
多くの大学では、コースの一部として数百時間規模の実習(プラクティカム)が組み込まれており、
- プロスポーツクラブ
- 地域クラブチーム
- フィットネスクラブ
- 学校・地域の健康増進プログラム
などでの実践経験を通して、卒業後に即戦力として働ける力を養います。
専門資格へのステップ
スポーツ科学系学位の中には、Exercise & Sports Science Australia(ESSA)の認定を受けているコースも多く、条件を満たせば運動科学の専門家として登録を目指すことができます。将来、運動処方や健康づくりの分野でキャリアを築きたい方にとって、有利なスタートになります。
スポーツサイエンスを学べる主な大学
ここでは、オーストラリアでスポーツサイエンスを学ぶ代表的な大学をいくつかご紹介します(概要はイメージしやすいようにまとめたものです。詳細はカウンセリング時に最新情報をご案内します)。
ディーキン大学(Deakin University)
オーストラリア南部・メルボルン近郊にキャンパスを持ち、スポーツ科学分野の世界ランキングでも常に上位に入る大学です。
- 学位例:Bachelor of Exercise and Sport Science
- 特徴:
- 解剖学・生理学・バイオメカニクス・運動心理学などを基礎から学び、220時間以上の実習を通じて実践力を養成
- アスリートのパフォーマンス向上だけでなく、健康増進・高齢者の運動指導・リハビリテーションなど、幅広いフィールドを想定したカリキュラム
- 運動生理学・スポーツ栄養・コーチング・ストレングス&コンディショニングなどの専攻分野を組み合わせながら学べます
日本の高校卒業生は、付属カレッジのファウンデーションやディプロマを経由して進学するルートもあります。
クイーンズランド大学(The University of Queensland)
ブリスベンに位置する研究大学で、スポーツ・エクササイズ科学の教育・研究において高い国際評価を得ています。
- 学位例:Bachelor of Exercise and Sport Sciences (Honours)
- 特徴:
- 解剖学、バイオメカニクス、運動生理学、ストレングス&コンディショニング、スポーツ心理学などを4年間かけて学ぶ Honours コース
- 500時間規模の実習を通して、プロクラブや地域スポーツ、学校、クリニックなどさまざまな現場で経験を積める
- ラグビーやネットボール、サッカーなど、地元のプロチームとの連携も強く、トップレベルの現場を近くで見る機会も期待できます
高校成績やIBスコアが高い場合は、ファウンデーションコースを経由せず直接入学を目指せることもあります。
その他の代表的大学
上記2校のほかにも、オーストラリアにはスポーツ・エクササイズ科学の教育水準が高い大学が多数あります。
- エディスコーワン大学(ECU)
- 西オーストラリア大学(UWA)
- ビクトリア大学
- ニューカッスル大学
- クイーンズランド工科大学(QUT)
- オーストラリアン・カソリック大学(ACU)
さらに、ラトローブ大学、RMIT大学、南オーストラリア大学、グリフィス大学、サザンクロス大学、サンシャインコースト大学、ジェームズクック大学、タスマニア大学…などもスポーツ科学・運動科学関連のコースを開講しており、都市・気候・キャンパスの雰囲気によって選択肢は多様です。
「プロスポーツ寄りで学びたいのか」「健康づくり・リハビリ寄りで学びたいのか」によって、適した大学・コースは変わります。
出願までのステップ
スポーツサイエンス専攻への進学プロセスは、他の理系学部とほぼ同様です。
1. 英語試験の受験
多くの大学では、IELTS Academic 6.0〜6.5 程度(各セクション一定以上)が目安となります。スコアが条件に届かない場合でも、大学付属語学学校や提携カレッジの英語コースと組み合わせた「条件付き入学」が用意されているケースが一般的です。
2. 学力要件・進学ルートの確認
- 日本の高校卒業 → ファウンデーションコース/ディプロマ経由で1年〜1年半学び、その後に学部1年次または2年次へ進学
- IB・Aレベルなど国際資格 → 条件を満たせば学部への直接入学を検討
同じスポーツ科学でも、大学によって要求される高校成績や履修科目(数学・理科など)が変わるため、志望校に合わせた科目選択・対策が重要です。
3. 必要書類の準備と出願
一般的には、
- 高校の卒業証明書・成績証明書(日本語+英語)
- 英語試験スコア(IELTS / TOEFL 等)
- パスポートコピー
などが必要です。大学によっては、スポーツ経歴や将来目標をまとめたステートメントを求められることもあります。
オーストラリア大学留学専門サポートセンターの無料相談について

オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、スポーツサイエンス・スポーツマネジメントを含むスポーツ系専攻への進学について、無料でご相談を承っています。
- スポーツ科学・スポーツマネジメントの違いの整理
- アスリート寄り/健康づくり寄りなど、将来像に合わせた大学・コース候補の提案
- ディーキン大学・クイーンズランド大学をはじめとする主要大学の比較
- 日本の高校成績・英語力に合わせた進学ルート(ファウンデーション/ディプロマ/直入学)の設計
- IELTS など英語試験の目標スコア設定と学習プラン
- 出願書類の準備サポートと出願手続きの代行
- 渡航後の生活準備や滞在先についてのアドバイス
「スポーツ経験はあるが、どんな仕事につながるかイメージできていない」「競技者としてではなく、支える側でスポーツに関わりたい」という段階でも問題ありません。一緒に将来像を整理しながら、どの専攻・どの大学が合いそうかを検討していきます。
オーストラリアでスポーツサイエンスを学びたい方は、当センターの無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。最新の入学基準や学費、各大学の強みを踏まえたうえで、一人ひとりに合ったプランをご提案します。
※本記事の内容は執筆時点の情報をもとにした概要です。入学基準や学費は変更される場合がありますので、最新情報は各大学公式サイトにてご確認ください。

