オーストラリアはエスプレッソ文化が根づいた「コーヒー大国」。
シドニーやメルボルン、ブリスベン、ゴールドコーストなど、どの街でもカフェが生活の一部になっており、留学中のアルバイトとしてバリスタを目指す日本人留学生も少なくありません。
一方で、バリスタは人気職種のため競争も激しく、英語力・実務スキル・仕事探しの戦略をセットで考えることが大切です。
ここではオーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点から、
- バリスタの仕事の探し方
- バリスタになるためのステップと必要な英語力
- バリスタに求められるスキル
- バリスタコースがある語学学校
- 実際にカフェで働いた留学生の体験談
などをまとめてご紹介します。
「大学進学を目指しつつ、留学中はバリスタとして働いてみたい」という方の参考になれば幸いです。
オーストラリアでバリスタの仕事を探す主な方法
オーストラリアにはカフェが数多くありますが、経験者・即戦力を好むお店が多いのも事実です。ここでは現地でよく使われている仕事探しの方法を整理します。
1. カフェに直接レジュメ(履歴書)を持ち込む
最もオーソドックスなのが、気になるカフェに直接レジュメを持って行く方法です。これはバリスタに限らず、ホスピタリティ業界全般でよく使われます。
- Google マップで気になるカフェをリストアップ
- 実際に街を歩きながら雰囲気の良いお店を探す
- 店内が落ち着いているタイミングを見計らって、笑顔でレジュメを手渡し
オーストラリアでは、「レジュメを持ってお店を回る」こと自体が当たり前なので、遠慮する必要はありません。ただし、ライバルも多いため、
- 過去に作ったラテアートの写真を数枚添付する
- バリスタコース修了証やトレーニング履歴を記載する
- 簡単な自己紹介と、勤務可能な曜日・時間帯を明記する
といった工夫で「経験者であること」「本気度が高いこと」をアピールできると、声が掛かりやすくなります。
2. SNS・オンライン求人サイトを活用する
近年はカフェ側も、オンラインでスタッフ募集を行うケースが増えています。
- Facebook コミュニティ:滞在都市のローカルコミュニティに参加しておくと、カフェの求人投稿を見つけやすくなります。自分で「バリスタの仕事を探しています」と投稿し、ラテアートの写真を添えるのも有効です。
- Instagram:気になるカフェのアカウントをフォローしておくと、ストーリーズや投稿で「We’re hiring」と募集が出ることがあります。
バリスタ専用のアカウントを作り、ラテアートの写真や練習の様子を載せておく留学生も増えています。 - Jams.TV(日本語):日本人向け情報サイトで、カフェ・レストランなどの求人が多数掲載されています。
- Gumtree(英語):ローカル向け掲示板サイト。英語での求人情報に応募することで、英語履歴書・英語面接の経験も積めます。
- 日豪プレス(日本語):日本語でオーストラリアの求人・生活情報をチェックできるメディアです。
語学力や現地での生活に慣れてきたら、日本語媒体だけでなく、英語の求人サイトにも積極的に挑戦していくのがおすすめです。
バリスタになるためのステップとビザの基本
オーストラリアでお給料をもらいながらバリスタとして働くには、まず就労が認められたビザが必要です。
- ワーキングホリデービザ:カフェ・レストランでのアルバイトに挑戦したい方に人気。勤務時間の制限はありませんが、年齢制限があります。
- 学生ビザ:語学学校・TAFE・大学などに通いながら働く場合のビザ。原則として2 週間で 48 時間までの就労が認められています(大学院など一部例外あり)。
未経験の方がバリスタを目指す場合、
- まずは一般英語コースで英語力を中級レベルまで引き上げる
- その後、語学学校のバリスタコースで実技と接客英語を学ぶ
- 並行して、カフェでの仕事探しをスタートする
という流れが一般的です。
1日集中トレーニングのような短期講座もありますが、本格的にカフェで働きたい方には、数週間〜数ヵ月のバリスタコースの方が、スキル・英語ともにしっかり身につきやすいと考えておくと良いでしょう。
バリスタに求められる主なスキル
バリスタには、単にコーヒーを淹れる技術だけではなく、現場での対応力・コミュニケーション力など、さまざまなスキルが求められます。
- エスプレッソ抽出の基礎
豆の挽き具合(グラインド)、抽出時間、圧力などをコントロールし、安定した味のエスプレッソを出せることが基本です。 - コーヒーの知識
産地・品種・焙煎度によって味や香りがどう変わるのか、お客様の質問に答えられる程度の知識があると信頼されます。 - ミルクスチームとラテアート
ラテやカプチーノで重要なのが、きめ細かいミルクフォーム。ラテアートは必須ではありませんが、「楽しく飲んでもらいたい」という気持ちで練習する方も多いです。 - カスタマーサービスと英語力
忙しい時間帯に複数のお客様の注文を同時に受けながら会話を続けるため、ネイティブのスピードにも慣れていく必要があります。 - パニックにならない平常心
朝やランチタイムは注文が一気に集中します。オーダーを飛ばしてしまったり、聞き取れなかった時も、落ち着いてリカバリーする姿勢が大切です。 - 衛生管理・清掃
カフェは飲食店なので、衛生規定を守り、マシンや作業台を常に清潔に保つことも重要な仕事の一部です。
バリスタの資格・トレーニングの選び方
オーストラリアでは、バリスタとして働くこと自体に国家資格は必須ではありません。ただし、
- 語学学校のバリスタコース修了証
- 1日集中トレーニングの修了証
- 実務経験(勤務期間)
などがあると、採用時に有利に働くことがあります。特に未経験者の場合は、
- 中級以上の英語力 + バリスタコースでの実習経験
があることで、カフェ側も安心してトライアル(試用勤務)に呼びやすくなります。
また、現場で働きながら、
- YouTube やオンライン講座での自己学習
- ラテアートの自主練習
- 同僚バリスタからのフィードバック
などでスキルを深めていくことも重要です。
【留学生向け】バリスタコース(または類似トレーニング)が受けられる学校・学習オプション
ここでは、バリスタコース(または類似トレーニング)を受講できる代表例を一部ご紹介します。
なお、バリスタコースは都市・キャンパス・時期によって開講状況が変わることが多く、募集要件も更新されやすい分野です。最新情報は必ず個別にご確認ください。
(参考)短期のバリスタ講座(専門機関/カフェトレーニング)
語学学校のバリスタコース以外にも、都市部では数時間〜数日の短期トレーニングを提供する専門機関や、カフェ併設のトレーニングが見つかることがあります。
短期間で「基本の抽出・ミルクスチーム・接客の流れ」を集中的に学べる一方で、授業が英語で進むケースも多いため、英語力がある程度ある方向けです。
「まずは最低限の型を覚えて、早めにトライアルへ挑戦したい」という方は、語学学校の一般英語と組み合わせて検討するのも一案です。
なお、これらの短期講座は学校や時期により留学生受け入れ条件が異なるため、大学進学を主軸とした留学プランでは、語学学校のコースと組み合わせて検討するケースが一般的です。
Browns English Language School
ゴールドコーストをはじめ、シドニー・ブリスベンなどにキャンパスを持つ語学学校です。
一般英語コースとバリスタコースをパッケージで受講できるため、英語とコーヒースキルをバランスよく伸ばしたい留学生に人気があります。
アクティビティも豊富で、多国籍のクラスメイトと一緒に英語・バリスタともに実践的に学べる環境です。
Lexis English
ビーチに近いスカボローキャンパス(パース)など、ロケーションが魅力の語学学校です。
一部キャンパスには学校併設カフェがあり、実際のお客様にコーヒーを提供するトレーニングができる点が特徴です。
「落ち着いた環境で英語に集中しつつ、実践的にバリスタを学びたい」という方に向いています。
オーストラリア大学留学専門サポートセンターでも、英語学習と現地体験を両立しやすい学校の一例として上記2校をご案内することがあります。
バリスタコースで学ぶ主な内容
多くのバリスタコースで共通して扱われるトピックの例は次の通りです。
| トピック | 主な内容 |
|---|---|
| エスプレッソの基礎 | グラインドサイズ、抽出時間、圧力、タンピングなどの基本 |
| コーヒー豆の知識 | 産地・品種・焙煎度による味の違い、豆の保管方法 |
| ミルクの扱い | スチームの当て方、ミルクフォームの作り方、温度管理 |
| ラテアート | ハート・リーフなどシンプルな図形から応用アートまで |
| カスタマーサービス | 注文を取る英語表現、クレーム対応、スモールトーク |
| 衛生管理 | 食品取扱いの基本、マシンの清掃、作業台の衛生管理 |
実際にカフェで働いた留学生の仕事探し体験談
ここでは、ブリスベンにワーキングホリデーで渡航し、その後メルボルンでもカフェで活躍しているある日本人留学生のエピソードを、要点をまとめてご紹介します。
- 仕事が見つかるまでの期間:ブリスベンでもメルボルンでも、およそ 2〜3 週間。
- カフェ探しの方法:Google マップで気になるカフェをリストアップし、実際に周辺を歩きながら別のお店も見つけてレジュメを配布。
- レジュメの工夫:ラテアート写真を数枚添付し、「コーヒーが作れます」と視覚的にアピール。
- すぐに結果が出なくても準備を続ける:多くのカフェで「今は募集していないけれど、必要になったら連絡するね」と言われたが、実際に1ヵ月後に連絡をもらいフルタイムの仕事が決まったケースも。
- トライアル前の準備:カフェのメニューや SNS をチェックし、使用しているマシンを事前に YouTube などで研究。
- 笑顔と自信の大切さ:履歴書を渡すときや面接では、とにかく笑顔と、ある程度「自信があるように振る舞う」ことを意識。
- Instagram も活用:気になる飲食店だけをフォローする専用アカウントを作り、求人情報を逃さないようにしていた。
この体験談からも分かる通り、
- 一度レジュメを渡した後に時間差で連絡が来ることがある
- 「経験があること」を写真などで具体的に見せる工夫が効果的
- 英語力に不安があっても、笑顔と積極性でカバーできる部分は大きい
というポイントは、どの都市でも共通しています。
大学留学 × バリスタの両立を目指す方へ
バリスタの仕事は、
- ローカルの人たちと英語で接する機会が多い
- 都市ごとのカフェ文化を肌で感じられる
- 将来ホスピタリティ・観光・ビジネスを学ぶ際の強みになる
など、「オーストラリアで学ぶ意味」を感じやすいアルバイトのひとつです。
オーストラリア大学留学専門サポートセンターでは、
- 大学・大学院進学を軸にした長期プランの中で、どのタイミングでバリスタコースを組み込むか
- ブリスベン・ゴールドコースト・メルボルンなど都市ごとのカフェ事情や、仕事探しのしやすさ
- 英語力に合わせた語学学校選び(一般英語+バリスタコースの組み合わせ など)
といった点も含めて、「勉強」と「現地での仕事経験」を両立できるプラン作りのお手伝いをしています。
オーストラリアで大学に通いながら、バリスタとしても経験を積みたい方は、まずは現在の英語力・ご希望の都市・ご予算などをお知らせください。あなたの目標に合わせた学校・コースの組み合わせをご提案いたします。


