オーストラリアは、世界最古級の大陸に広がる固有の生態系、世界自然遺産、500以上の国立公園を擁する環境学の実地研究に最適な学習環境です。地球温暖化・生物多様性・沿岸侵食・水資源・森林火災・資源循環まで、フィールド×データの両輪で学べるのが大きな強み。
本ガイドでは、分野全体像に加え、代表例としてジェームズクック大学(JCU)とサンシャインコースト大学(UniSC)の学び方を紹介します。
環境学とは?学べる主領域
- 生態・保全:生物多様性評価、保全計画、外来種管理、復元生態学
- 沿岸・海洋:サンゴ礁・干潟・マングローブ、沿岸帯の保全・GIS
- 水・土壌・大気:流域管理、水質・土壌管理、気候変動影響評価
- 環境政策・経済:EIA(環境影響評価)、環境法、企業のサステナビリティ
- 地理空間解析:リモートセンシング、空間統計、環境データサイエンス
ポイント:オーストラリアの環境学は「実地調査(field)」と「解析(stats/GIS)」の両方を履修するカリキュラムが主流。卒業後の即戦力に直結します。
オーストラリアで学ぶメリット
- フィールドがキャンパスの隣
世界自然遺産(例:グレートバリアリーフ/世界最大の砂の島K’gari など)や国立公園に近く、初年次から現場実習が可能。 - 研究—政策—地域の連動
大学・自治体・NGO・先住民コミュニティが協働。保全実務と研究成果の社会実装を体感できます。 - 国際通用性の高い学位
理学・環境管理・政策系いずれの進路にも展開しやすく、修士・博士進学や国際機関・コンサルへの道も開けます。
代表的プログラムの学び方
ジェームズクック大学(JCU)|熱帯環境の最前線
ロケーション:ケアンズ/タウンズビル(熱帯圏)
特徴:熱帯生態・サンゴ礁・熱帯雨林のトロピカル分野に特化。研究所や保護区へのアクセスが強み。
代表学位:Bachelor of Environmental Practice / 環境学×ビジネスのハイブリッド(Environmental Science & Business)など
カリキュラム例:
- 生物多様性評価/保全生物学/復元生態学
- 水・土壌・地形プロセス、自然災害とリスク
- サステナビリティ経済/企業の環境マネジメント
実習:最終年に実務インターン(約130時間)が定番。GBR関連の実地科目も人気。
入学の目安:3年制、年2回(2月・7月)、英語IELTS 6.0(各6.0目安)。英語未達は付属経由や提携カレッジで進学設計可。
学費感:年A$35–46K程度(専攻・年度で変動)。※最新条件は出願前に精査します。
サンシャインコースト大学(UniSC)|沿岸・サステナビリティに強い総合型
ロケーション:サンシャインコースト(キャンパスが自然保護区に隣接)
特徴:Environmental Management(環境マネジメント)の総合設計。副専攻(マイナー)でCoastal & Marine/Geospatial/Sustainability等を組み合わせ、多様な進路に対応。
代表学位:Bachelor of Environmental Management
カリキュラム例:
- EIA(環境影響評価)/環境法/資源経済
- 植物多様性・生態/サステナビリティ計測
- マイナー:Coastal & Marine、Geospatial Analysis、Restoration & Conservation など
実習:K’gari(フレーザー島)でのフィールドスタディや地域プロジェクト、インターン/研究プロジェクト選択可。
入学の目安:3年制、年2回(2月・7月)、英語IELTS 6.0(各5.5)。不足時は付属EAP2修了でIELTS免除ルートが代表的。
学費感:年A$29–36K程度(専攻・年度で変動)。※最新条件は出願前に精査します。
どちらが合う?
- 熱帯圏の生態・海洋・雨林を深掘り→JCU
- 沿岸管理・環境政策・サステナビリティを幅広く→UniSC
いずれもフィールド×データ×実務の三位一体が強みです。
代表的な履修の流れ(3年制の例)
- 1年次:基礎生態学、環境科学の基礎、統計・科学的思考、フィールド基礎
- 2年次:選好領域の深化(沿岸・海洋/保全/環境法・経済/GIS 等)、データ解析
- 3年次:インターン/研究プロジェクト、応用科目(保全計画、沿岸管理、EIA等)
英語力が入学基準に満たない場合
- 付属のEAP(進学英語)を経由してIELTS免除で進学可能(例:UniSCはEAP2修了→本コースへ)。
- 学期開始希望から逆算した渡航計画(語学10週間単位での設計)が重要です。
卒業後のキャリア例
- 保全・調査:国立公園/自治体の環境部局/研究機関/NGO・NPO
- コンサル:環境影響評価(EIA)、沿岸・流域マネジメント、自然資本評価、ESG支援
- 企業:環境法順守、サステナビリティ経営、サプライチェーンの環境配慮
- 進学:環境科学・保全生物学・海洋学・地理空間情報・政策系の修士/博士
実務経験が鍵:在学中のインターン/現場プロジェクトが就職力を大きく左右します。
出願〜ビザの基本動線(画一的フロー)
- 専攻・大学の仮決定(志望分野×立地×学費×実習形態でマッチング)
- 英語スコア準備(IELTS/TOEFL/PTE もしくは EAPルート設計)
- 必要書類(成績証明・卒業証明・パスポート等/志望動機が要る大学も)
- オファー受領→CoE発行
- 学生ビザ申請(OSHC加入、資金計画、渡航準備)
※要件・学費・開講は変動します。出願前に最新条件を精査します。
当センターの支援(無料)

- 大学・コース比較(熱帯×沿岸×政策の適性診断)
- 出願書類の伴走(志望動機/推薦状の骨子整理、提出手順)
- EAP含む進学動線の設計(入学期からの逆算スケジュール)
- 合格後の手続き(CoE/学生ビザの案内、OSHC、住まい・到着後の基礎情報)
「環境×フィールド重視」か「環境×政策・マネジメント重視」かで、最適な大学は変わります。まずは要件確認からどうぞ。
よくある質問
Q. 数学や統計が苦手でも大丈夫?
A. 環境学はデータ解析(統計・GIS)の素養が重要。基礎から段階的に学びますが、入学前に統計基礎・Excel/R/ArcGISの素地を作ると楽です。
Q. 海外インターンは必須?
A. 多くの大学でインターン/研究プロジェクトの選択があります。実務志向ならインターンを推奨。
Q. 学費はどれくらい?
A. 年間おおむねA$29–46Kが目安(大学・専攻・年度で変動)。最新は出願前に再確認します。

