オーストラリアでは、医療画像診断・放射線治療・核医学といった専門技術を担う放射線技師（Medical Radiation Practitioner）が医療現場で高く評価されています。
この分野で働くには、Medical Radiation Practice Board of Australia（MRPBA）認定の学士課程（4年制）を修了し、1年間の臨床実習を経て登録する必要があります。
本記事では、放射線技師の種類と仕事内容、オーストラリアでの大学進学ルート、英語・学力要件、学費や将来性をわかりやすくまとめました。
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オーストラリアの放射線技師とは？
放射線技師は、画像診断・治療・核医学などを通じて医師と連携し、患者の診断や治療を支える医療専門職です。
オーストラリアでは、以下のように職域が分かれています。
| 分野 | 英語名称 | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| 診断放射線技師 | Medical Diagnostic Radiographer | X線・CT・MRIなどによる画像診断。医師と連携して疾患を特定。 |
| 放射線療法士 | Medical Radiation Therapist | がん治療などで放射線を用いた治療を実施。 |
| 核医学技術者 | Nuclear Medicine Technologist | 放射性物質を用いた臓器・代謝機能の評価や治療。 |
| 超音波検査士 | Sonographer | 超音波による診断（留学生対象コースは限定）。 |
これらの専門職はいずれも医療行為に直結する高度専門職として、オーストラリア政府機関 MRPBA（Medical Radiation Practice Board of Australia） に登録する必要があります。
放射線技師になるための基本条件
🎓 学歴要件
- MRPBA認定の4年制学士号（Bachelor Level 7以上）を修了すること
- カリキュラム内に1年間の臨床実習（Clinical Placement）が含まれていること
🗣 英語力要件
- IELTS Academic 7.0（各セクション7.0以上）が基本基準
- TOEICは不可
- 一部の大学では付属英語→学部コースのパッケージも可能ですが、最終的には大学開始前にIELTS7.0提出が必須です。
💡 出願時の注意点
- 成績上位者からオファーが発行される選抜制コースが多く、要件を満たしても定員制限で不合格となる可能性があります。
- Foundation（大学準備課程）やDiploma（付属カレッジ）経由での進学も有効ルートです。
主な進学ルート
放射線技師を目指すには、学歴・英語力・理系科目履修状況により複数のルートがあります。
【1】高校卒業から最短で目指すルート（計5年目安）
- Foundation／Diplomaコース（1年）で基礎＋英語を修了
- Bachelor of Medical Radiation Science（4年）へ進学
→ 合計5年でMRPBA登録資格を取得可能
例：南オーストラリア大学（UniSA）では、付属カレッジ SAIBT Diploma of Health Science → 学部1年次編入が可能。
英語学校＋Diploma＋Bachelorをパッケージ出願できる唯一の大学です。
【2】大学・短大経験者の場合
- 日本の大学で理系科目（Physics, Biology, Mathematics）を履修している場合は単位認定や編入の可能性があります。
- カーティン大学やQUTなどでは、専門学校・大学既修者を対象に柔軟な入学審査を行っています。
MRPBA認可の主な大学（4年制フル認定コース）
| 大学名 | コース名 | 所在地 | 入学時期 | 英語要件 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 南オーストラリア大学 University of South Australia | Bachelor of Medical Radiation Science（Medical Imaging／Radiation Therapy／Nuclear Medicine） | アデレード | 2月 | IELTS7.0各7.0 | 3専攻を選択可能。SAIBT経由で編入可。 |
| カーティン大学 Curtin University | Bachelor of Science (Medical Radiation Science / Imaging or Therapy) | パース | 2月 | IELTS7.0各7.0 | 物理・数学必修。実習提携病院が豊富。 |
| クイーンズランド工科大学 Queensland University of Technology | Bachelor of Medical Imaging (Honours) | ブリスベン | 2月 | IELTS7.0各6.5 | 理系履修者優遇。臨床実習重視。 |
| ディーキン大学 Deakin University | Bachelor of Medical Imaging (Honours) | ジーロング | 2月 | IELTS7.0各7.0 | 成績上位選抜制。Foundation経由も可能。 |
🏥 これらの大学はいずれも1年間の臨床実習込みのFull Accreditedコースで、卒業後はMRPBA登録が可能です。
学費と期間の目安
- 学士課程（4年間）：年間 約A$35,000〜A$40,000
→ 総額 約A$140,000〜A$160,000 - 準備課程（Diploma／Foundation）：年間 約A$30,000前後
- 期間合計：高校卒業から最短5年間
- 英語力初級→IELTS7.0到達までの目安：約18〜24か月
卒業後の登録と就職
- 卒業後、MRPBAへ個人申請を行い、認定を受けることでオーストラリア全州で資格有効。
- 放射線技師の雇用は安定的で、オーストラリア政府の予測では2024年までに約10％増加と見込まれています。
- 医療施設、がん治療センター、大学病院、研究機関など幅広い就職先が存在。
永住権やPost Study Work Visa（卒業生ビザ）に関しては、ビザ専門家（Migration Agent）への相談が必要です。
将来性と魅力
放射線技師は、医療現場の最前線でテクノロジー×医療知識を融合できる専門職です。
画像診断や治療技術の発展とともに、今後も需要が高まる分野であり、国際的にも通用する資格として評価されています。
「医療に携わりながらグローバルに働きたい」「最新機器を扱う専門職に進みたい」
そんな方にとって、オーストラリアの放射線技師コースは最適な選択肢です。
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