Photoshopのようなデスクトップアプリ、Instagramのようなスマホアプリ、
FacebookやX(旧Twitter)のようなWebサービス——
こうした「ソフトウェア」を支えているのが、ソフトウェア開発(Software Development)の専門家です。
オーストラリアでは、
- 専門学校(TAFE・カレッジ)の Diploma
- 大学の学士課程(Bachelor)
- 大学院の修士課程(Master)
と複数のレベルでソフトウェア開発を体系的に学ぶことができ、
卒業後はスタートアップ、IT企業、政府機関、金融・医療・通信など
幅広い業界でのキャリアにつながります。
「ゼロからITを学びたい」「ソフトウェアエンジニアとして世界で活躍したい」
どちらのケースでも、自分のレベルと将来像に合ったルート設計が重要です。
ソフトウェア開発とは?
Software Development の領域では、主に次のような内容を学びます。
- デスクトップ/モバイル/Webアプリケーションの開発
- IT基礎(コンピュータ・OS・ネットワークの仕組み)
- データベース設計・運用
- プログラミング言語(例:Java、C++、C#、JavaScript、PHP など)の基礎〜応用
- システム分析・要件定義・設計
- ソフトウェアテスト・品質保証・運用
レベルが上がるにつれて、
- 大規模なソフトウェアシステムの設計・構築
- クラウドプログラミングやAI・セキュリティなど新興分野
- チーム開発・プロジェクトマネジメント
といった内容まで扱うようになります。
基礎から学ぶなら専門学校(Diploma)レベル
ソフトウェア開発が初めての方や、
「まずは基礎をしっかり固めたい」という方には、
TAFEなど専門学校の Diploma of Software Development レベルからのスタートが適しています。
- 大学1年相当の内容を、より実務寄りに学べる
- プログラミングの基礎やWeb開発を実習中心で習得
- 1年〜1年半程度で修了できるコースが多い
といった特徴があり、
「IT分野が自分に合うかを試したい」 場合にも有効です。
TAFE Queensland「Diploma of Software Development」の一例
※以下はコース内容のイメージです。年度・キャンパスによって変更の可能性があります。
- 学校:TAFE Queensland
- コース:Diploma of Software Development
- 期間:1年
- 入学時期:3月/7月/11月 など
- 学費目安:年間16,000ドル前後
- 英語:IELTS 5.5(各5.0以上)
- 学歴:日本の高校卒業程度
主な必修科目イメージ
- ICT環境における著作権・倫理・プライバシー
- HTML/CSS/JavaScript などによるプログラミング基礎
- ソフトウェア管理ツールを用いたプロジェクト管理
- アプリケーションのデバッグと監視
- テスト環境から本番環境へのデプロイ(リリース)方法
- アプリ設計と仕様に基づく検証
- オブジェクト指向プログラミング(中級レベル)
- ソフトウェア開発のテスト技術
主な選択科目イメージ
- データベースの基礎設計
- モバイルゲームの基礎的な開発
- ビジネス要件を把握するためのデータ収集
- 組織の戦略とICTニーズのすり合わせ
- クラウドコンピューティングサービス基礎
- Webベースプログラムの基礎開発 など
Diplomaで学ぶ内容は、あくまで「基礎の土台」です。
1年修了だけで即戦力エンジニアとして採用されるのは現実的には難しい ため、
- 1年だけ留学したい方
- その後、日本でIT関連就職のきっかけを作りたい方
- 大学への編入ステップとして基礎を固めたい方
に適したレベルと考えるとイメージしやすいです。
より本格的に学ぶなら大学(Bachelor)レベル
企業が求めるソフトウェアエンジニアとしてのスキルセットは、
大学学士課程(Bachelor)レベル で身につけることが一般的です。
専門学校のDiplomaに比べて、
- より大規模・複雑なシステム設計・実装
- コンピュータサイエンスの理論(アルゴリズム、データ構造など)
- クラウド・セキュリティ・AI などの応用分野
- チーム開発・プロジェクトベースの学習
といった内容まで踏み込んで学びます。
南オーストラリア大学「Bachelor of Information Technology (Software Development)」の例
※あくまでカリキュラム例です。最新情報は大学公式の内容をご確認ください。
- 大学:University of South Australia(南オーストラリア大学)
- コース:Bachelor of Information Technology (Software Development)
- 期間:3年
- 入学:2月/7月 など
- 学費目安:年間 35,000ドル前後
- 英語:IELTS 6.0(特定セクション6.0以上)
- 学歴:日本の高校卒業程度(成績条件あり)
- ACS(Australian Computer Society)認定コース
1年次の学び(例)
- 情報技術の基礎
- 問題解決とプログラミング
- ネットワークの基礎
- デザイン思考の原則と方法論
- オブジェクト指向プログラミング
- Web技術とデータ分析
2年次の学び(例)
- システム要件・ユーザー体験の設計
- インターフェース設計とインタラクション
- Web開発
- データ構造とアルゴリズム
- 企業向けデータベース
- システム設計・ソフトウェア開発ツール
- C++などによるソフトウェア開発
3年次の学び(例)
- .NET を用いたアジャイル開発
- 並行プログラミング
- 人工知能(AI)基礎
- クラウドプログラミング
- モバイルアプリケーション開発
- ICTプロジェクト(チームによる実案件型の開発)
また、南オーストラリア大学には複数の研究センターがあり、
世界レベルの研究環境や設備にアクセスできる点も、大学ならではのメリットです。
TAFE・カレッジ → 大学編入というルート
オーストラリアでは、Diploma 経由で大学2年次へ編入するルートも一般的です。
SAIBT → 南オーストラリア大学の編入例
- カレッジ:SAIBT
- コース:Diploma of Information Technology(約8ヶ月〜1年)
- 終了後:UniSA Bachelor of IT(2年次編入)
合計3年間で
- 1年目:カレッジで基礎+英語に慣れる
- 2〜3年目:大学で専門性を深める
という形で、
「いきなり大学直入学は不安」という方でも段階的にレベルアップ しやすい仕組みになっています。
大学院(Master)で新興技術・高度スキルを深める
すでに学士号を持っている方や、
より高度なキャリア(リードエンジニア、アーキテクト、ITコンサルタントなど)を目指す方は、
大学院(Master)でソフトウェア開発を深める選択肢もあります。
取り扱う新興技術の例
- 5G通信
- サイバーセキュリティ
- ブロックチェーン
- AI・機械学習
- IoT
- クラウドコンピューティング
- ドローン・3Dプリンティング
- 自動運転 など
これらの分野はいずれもソフトウェア開発と強く結びついており、
Masterレベルでは「新興技術 × ソフトウェア開発」の観点で学べるコースも増えています。
QUT「Master of Information Technology (Software Development)」の例
- 大学:Queensland University of Technology(QUT)
- コース:Master of Information Technology (Software Development)
- 期間:通常2年(関連学士号がある場合1.5年コースも)
- 入学:2月/7月 など
- 学費目安:年間 36,000ドル前後
- 英語:IELTS 6.5(各6.0以上)
- 学歴:関連分野の学士号+一定以上のGPA
学びのイメージ
- コンピュータシステム・ネットワーク・セキュリティ基礎
- データベース・アルゴリズム・データ構造
- C#によるプログラミング基礎〜オブジェクト指向
- Web/モバイルアプリケーション開発
- クラウドコンピューティング
- 新興技術とインタラクションデザイン
- 研究プロジェクト・IT産業連携プロジェクト など
「新興技術を扱えるソフトウェア開発者」 は世界的にも需要が高く、
長期的なキャリア形成を考える上で有力な選択肢と言えます。
コース名の違いに要注意
IT系コースは、大学・学校によってコース名がかなり違います。
例:
- Bachelor of Software Development
- Bachelor of Information Technology (Software Development)
- Bachelor of Computer Science (Software Development)
- Bachelor of Advanced Computing など
名前だけでは中身が分からないことも多いため、
- 使用言語・扱う技術(Web/モバイル/クラウド/AI など)
- 必修・選択科目の内容
- インターンシップや産業連携の有無
- ACS 認定の有無
を、必ず個別コースシラバスまで確認してから選ぶ ことが大切です。
プログラミング知識と自己学習の重要性
Diploma・Bachelor・Master いずれのレベルでも、
授業内だけで「完璧なプログラミングスキル」を身につけることはできません。
- コースでは「考え方・基礎・プロジェクトの進め方」を学ぶ
- 実務で通用するコード力は、授業外の自己学習・制作物が鍵
というイメージに近いです。
そのため、
- 留学前:オンライン教材やプログラミング入門コースで基礎を触っておく
- 留学中:授業+自主制作(Webアプリ/スマホアプリ/ポートフォリオ)を並行
- 卒業前後:インターンや個人開発で実績を作る
といった「自己投資」を続けることが、ソフトウェア開発者としての価値を大きく左右します。
ソフトウェア開発分野のキャリアと将来性
オーストラリア政府の Job Outlook などのデータでも、
ソフトウェア・アプリケーション開発関連職の需要は 強い成長が見込まれる分野 とされています。
目指せる職種の一例:
- Software Developer/Software Engineer
- Web Developer/Front-end/Back-end/Full-stack Developer
- Mobile App Developer(iOS/Android)
- Database Administrator
- Systems Analyst
- IT Project Manager/Product Manager
- Software Architect
- Business Analyst(IT系)
- QA Engineer/Tester など
特に最近は、
- リモートワークとの相性が良い
- 産業のデジタル化が進み続けている
ことから、国や業界を問わず長期的な需要が見込まれる分野 と言えます。
オーストラリアでソフトウェア開発留学を目指す方へ

オーストラリア大学留学専門サポートセンターは、
オーストラリア全土の大学の正規代理店であると同時に、TAFE・専門学校・多くの語学学校の正規代理店 でもあります。
そのため、ソフトウェア開発を学びたい方には:
- TAFE・カレッジの Diploma から始めるルート
- 大学で Software Development/Computer Science を学ぶルート
- 既卒者向けの Master(IT/Software Development)ルート
- 語学学校+ITコースの組み合わせプラン
など、学校の種類をまたいだ最適なプラン を中立的な立場でご提案できます。
無料サポートの範囲
- 希望分野・英語力・学歴・予算のヒアリング
- TAFE・大学・大学院を組み合わせた留学プラン提案
- 各コースの入学条件(英語・GPA・数学要件など)の確認
- 出願書類の準備・オンライン願書の提出
- 学生ビザ申請サポート
- 渡航準備・現地生活サポート(現地提携オフィス経由)
まずは無料相談から
- 将来はソフトウェアエンジニアとして海外で働きたい
- 日本の文系出身だけどIT分野にキャリアチェンジしたい
- 大学/TAFE/大学院、どのレベルから始めるのが自分に合うか知りたい
という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのバックグラウンドや希望に合わせて、
- どのレベルのコースが現実的か
- どの都市・学校が合いそうか
- 編入や進学を見据えたステップの組み方
を、具体的なコース名・スケジュールとともにご提案します。
オーストラリアでソフトウェア開発を学びたい方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
※本記事のコース情報・費用は執筆時点の大学・学校情報をもとにした目安です。
最新の学費・入学条件・開講状況は必ず各教育機関の公式情報をご確認ください。

