オーストラリアでは、教育分野が国家資格として体系化されており、幼児教育（Early Childhood）・初等教育（Primary）・中高教育（Secondary）・特別支援教育（Special Education）といった段階ごとに明確な教員登録制度が存在します。
留学生でも、教育学士（Bachelor of Education）または教育学修士（Master of Teaching）を修了することで、教員登録の申請資格を得ることが可能です。
本稿では、教員資格の制度、入学条件、人気大学、そして日本語教師を目指す場合の進路などを、オーストラリア大学留学専門サポートセンターの視点で詳しく解説します。
🎓 教育・教員系コースの出願から学生ビザ、IELTS対策まで
専門カウンセラーが無料で個別サポートいたします。
オーストラリアの教育制度と教員の種類
| 教育区分 | 学年 | 教員の職種名 |
|---|---|---|
| Childcare Centre（幼稚園・保育） | 未就学児 | Early Childhood Teacher |
| Primary School（小学校） | Year 1～6 | Primary School Teacher |
| Secondary School（中高） | Year 7～12 | Secondary School Teacher |
| 特別支援教育 | 全学年対象 | Special Education Teacher |
教員になるまでのステップ
① 教員養成課程への入学
オーストラリアでは、州ごとに教員登録制度が異なり、各州の教育委員会（Teaching Registration Board）が認定した大学・大学院での学修が前提です。
- 学士課程：4年間（Foundation経由の場合は合計5年）
- 修士課程：2年間（Graduate Diplomaは廃止、Teaching修士に統合）
② 教員の仮登録（Provisional Registration）
大学・大学院を修了後、各州の教育委員会で教員としての仮登録を行います。
仮免許が付与されると、教育現場で教えることが可能です。
登録時には以下が求められます：
- 英語力（IELTS Academic 7.5：Speaking/Listening 8.0、Reading/Writing 7.0以上）
- Numeracy and Literacy Test（基礎算数・読解力テスト）
③ 本登録（Full Registration）
一定期間の実務経験を経て、教員として正式登録が行われます。
州によって手続きや条件が異なり、州間の免許切替（Transfer）も可能です。
教育系コースの入学条件
| 区分 | 学歴要件 | 英語力要件 |
|---|---|---|
| 学士号（Bachelor of Education） | Foundation修了または高校卒業＋成績基準 | IELTS 7.0〜7.5 |
| 修士号（Master of Teaching） | 教育以外の学士でも出願可 | IELTS 7.5（S/L 8.0、R/W 7.0） |
教育学部はIELTSスコア免除がほぼ不可で、大学付属語学学校からの進学が認められる大学は限定的です（例：Deakin、Flinders、UniSA、Curtin）。
また、QLD・NSW・VIC州では出願時にエッセイ（1000字）またはCASPer Test（適性試験）が課される大学もあります。
（例：メルボルン大学、ディーキン大学など）
中高教員（Secondary）を目指す場合
中高教員を目指す場合、2つの専門分野（教科）を選択します。
教える科目は以下のように幅広く設定されています。
- 英語／TESOL／外国語（日本語・中国語・フランス語など）
- 数学／科学／環境学
- 体育／音楽／美術／演劇
- 人文学／歴史／心理／IT／メディア
大学院（Master of Teaching）では、学士で学んだ分野と関連する教科を選ぶ必要があります。
例：理系学士 → 数学／科学教育、文学士 → 英語教育、心理学士 → 特別支援教育など。
オーストラリアで日本語教師を目指す
日本語教育は主に中高教育（Secondary）で開講されています。
日本語教師を目指す場合、以下の2つの進路が一般的です。
進路A：高校卒業 → Foundation → Bachelor of Education（4年）
IELTS 6.0〜6.5から開始可能。大学在学中に7.5を目指せる。
進路B：高校卒業 → Diploma（1年）→ Bachelor of Education（3年）
IELTS 5.5〜6.0から進学可能。最も現実的なルート。
IELTS 7.5を入学時点で求められる進路（例：Dルート）は難易度が高く、
留学生は進路AまたはBを選ぶケースがほとんどです。
大学院で日本語を教える場合
- Sunshine Coast University：母語話者として日本語教育分野の履修が可能。
- Deakin University：指定の日本語能力試験（JLPT）合格で受講認可。
なお、大学院で直接日本語を専攻できなくても、
Teaching資格取得後に学校側が日本語科担当として採用するケースもあります。
教育学部で人気の専攻例
| 分野 | 特徴 | 将来の進路 |
|---|---|---|
| Early Childhood Education | 幼児期教育・発達心理を中心に実習重視 | 幼稚園・保育施設 |
| Primary Education | 初等教育理論＋カリキュラム設計 | 小学校教員 |
| Secondary Education | 教科専門＋実習で実践力強化 | 中学・高校教員 |
| TESOL | 英語教育理論と教授法 | ESL教師・語学学校講師 |
| Special Education | 障がい児・発達支援教育 | 特別支援学校・福祉施設 |
留学生に人気の大学（代表例）
| 大学名 | 主なコース | IELTS目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| University of Queensland（UQ） | Bachelor/Master of Education | 7.5(SL8.0, WR7.0) | 州教育委員会認定。STEM教育に強い。 |
| Deakin University | Bachelor/Master of Teaching | 7.0(SL7.5, WR7.0) | 教育×ICTで評価高。EAP経由可。 |
| University of Melbourne | Master of Teaching | 7.0各 | 独自適性試験あり。教育学研究で世界上位。 |
| University of the Sunshine Coast | Bachelor/Master of Teaching | 7.5(SL8.0, WR7.0) | 日本語教育・TESOLで母語話者優遇あり。 |
| Griffith University | Bachelor/Master of Education | 7.5(SL8.0, WR7.0) | 実習提携校数が多く、現場教育に強い。 |
| Curtin University | Bachelor/Master of Teaching | 7.5(SL8.0, WR7.0) | 教育と多文化共生教育に定評。 |
幼児教育・中高教育のコース例（抜粋）
幼児教育（Early Childhood）
- Griffith University：Bachelor of Education (Early Childhood)／IELTS7.5
- Macquarie University：Bachelor of Education (Early Childhood)／IELTS7.5
- UniSA／Flinders／Curtin：Master of Teaching (Early Childhood)／IELTS7.0〜7.5
中高教育（Secondary）
- University of Queensland／Curtin／ECU／UTS：Master of Teaching (Secondary)／IELTS7.5
- Deakin／La Trobe／UniSA：Master of Teaching (Secondary)／IELTS7.0〜7.5
IELTS要件・学費は年度で変更されるため、出願前に最新情報を確認しましょう。
注意：教員登録の要件と英語スコア
教員登録時には、学位だけでなく英語スコアと適性試験の両方が求められます。
登録条件の例：
- IELTS Academic 7.5（Speaking/Listening 8.0、Reading/Writing 7.0）
- Numeracy and Literacy Test 合格
- 無犯罪証明・健康診断など
教育学は他分野より要件が厳しいため、英語対策・書類準備・州制度の理解を早期に始めることが成功の鍵です。
当センターの無料サポート
- 教員登録に対応した大学・大学院の紹介
- IELTS7.5を目指す学習プラン設計
- 出願書類（Personal Statement／推薦状）英語添削
- 学生ビザ（Subclass 500）申請・GSステートメント作成支援
- 現地サポート（住まい・実習準備・渡航前オリエンテーション）
🎓 教員・TESOL・教育学など、教育分野での進学をトータルで無料サポートしています。
あなたの学歴・目的・英語力に応じた最短進学ルートを個別にご提案します。
まとめ
- 教員免許は州ごとの認定課程修了＋英語要件＋適性試験合格が必要
- IELTS7.5前後が多く、準備期間は最低6〜12か月を確保
- 日本語教師・幼児教育・中高教育など目的別で進路設計が可能
- 教育系進学は事前計画が最重要。条件変更や倍率上昇にも注意が必要。
🧭 教員・教育学・TESOL進学のご相談は、
オーストラリア大学留学専門サポートセンターの無料カウンセリングへ。
